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研修

「研修に参加すると盛り上がるのに、業務に戻ると学びを活かせない。。。研修の投資対効果を意識してますか?」

さて、前回は

「自社のWebサイトを24時間365日顧客対応可能な営業担当者にしていますか? Webサイトも重要な経営資産ですよ!」

でした。お読み頂き有難うございます!

今回のテーマは「研修」になります。

「研修に参加すると盛り上がるのに、業務に戻ると学びを活かせない。。。研修の投資対効果を意識してますか?」

多くの企業では様々な研修を年間通じて実施されていると思います。研修目的も社内業務に関する研修やロジカルシンキングなど社員ひとりひとりのスキルアップを目的とした研修など、人事部の皆様は社員教育の企画に尽力されていると思います。

提供方法は、コロナ禍の今だとオンラインやeラーニング、たまに集合研修などで行われていると思います。私も研修をご提供しておりますがオンライン形式による実施がメインとなっています。コーチ型コンサルティングも経営者の方々とは、ほとんどオンラインで30分から1時間程度行っています。コロナ禍でコミュニケーション形式もオンラインが増えて来ていますね。

ちょっと、ここで皆さんに質問です。

「研修で学んだことがしっかりと日々の業務で活用されて効果が出てるなぁと実感されていますか?」

実は、この質問をこの一ヵ月で6回程、人事部の方に投げかけまる機会がありました。すると、下記のような返答が都市圏、東北地方関係なく、大手、中小企業関係なく返ってきました。

「うちは結構社員教育には年間投資を多額にしているし、個人スキルアップについても福利厚生の一貫で補助金を出しているんですよ。でもですねぇ、なんか研修効果が出ないんですよねぇ」

先日、某日本企業の人事部長とお話した際のやり取りなのですが。。

:「研修の際、参加者されている皆さんの様子は如何ですか?」

人事部長:「そうですねぇ。グループ内でも活発に議論しているし、取り組み姿勢は良いと思います」

私:「なるほどぉ、貴社の場合、研修内容にもよりますが上司と部下が同じ研修に参加するケースは多いですか?」

人事部長:「経営層向け、ビジネスリーダー向け、一般社員向けそれぞれの層毎に社内外研修を行っています。全ての層に共通の研修だとコンプライアンスやセキュリティなどはありますが、基本的に3つの層に分けて研修を実施していますね」

※私は、あー、そういうことかと感じました。そこで、話を続けてみました。

:「〇〇さん、例えば、今回、顧客視点力向上研修を行う場合、どの層の人達を参加させることになりますか?」

人事部長:「今回だと、ビジネスリーダー層と一般社員層になりますね」

私:「研修実施は、二つの層のそれぞれに対して行いますか?それとも一緒に行いますか?」

人事部長:「いや、分けて行いたいですね。だって、上司がいると発言しなくなりそうじゃないですかぁ笑 それに、ビジネスリーダー層は忙しいんですよねぇ」

私:「なるほど、分かりました。では、ビジネスリーダーと一般社員層を一緒に参加してもらいましょう。そうしないと研修効果を経営組織にもたらせませんよ」

人事部長:「え!一緒にですか?」

みなさん、私が、なぜこのような提言をしたか、少し考えてみてもらえませんか? 10秒でいいです。

私が、ビジネスリーダーと一般社員、上司と部下を一緒に参加させた方が良いと言った背景には、以下の3つの点が研修の投資対効果を阻害するからです。

  • 研修の最中はディスカッションも活発に行われて盛り上がるが、それぞれ業務に戻ると研修内容を一人で実践するのがむずかしい。結果として効果が出ない。
  • せっかく研修で学んだ内容を活用しているのに上司が従来の思考のままだから、共通言語で議論が出来ない。
  • 実戦で研修内容を徹底して活用する意識を上司と部下の両方で持てないため、学びが組織内に定着化出来ない。

この三つですが、皆さんも過去に研修に参加して感じたことありませんか? 5秒程、思いめぐらしてみてください。

なぜか「研修」だと参加者が活発に議論するんですよね。ファシリテーター役の講師が発言を促したりしますから、その影響もあります。講師は第三者ですから忖度なく上司役や部下役として質問を浴びせるからかもしれません

ところが、「研修」が終わり実務に戻るとあれほどまでに鋭い意見を発言していたのに「元の状態に戻る」ことになります。

なぜでしょうか? 是非、考えてみてください。10秒程。 たぶん、研修を受講された方も、研修を企画した人事部の方も研修効果が表れない理由に心当たりがあるのではないですか?

研修効果がなかなか出ない理由は、

「研修内容にあると思いますか?」
「受講者の姿勢にあると思いますか?」
「研修目的が受講者に明確になっていないからだと思いますか?」


正直、どれも正しい理由ですが。。。実は、研修効果が表れない理由で一番大事なのは「研修後の取り組み方」です。

そもそも、数時間から数日間で研修内容が身に付くと思いますか? 実務で直ぐに活用できると思いますか? 研修翌日からチームや組織運営に効果が出ると思いますか?

私はベースを弾きますが、楽器メーカーのセミナーを受講しによく言っていました。そこでは、色々な奏法やコードなどを学ぶのですが直ぐには演奏で活用出来ません。

セミナー受講後は、ひたすら練習して、実際にバンド練習時に学んだ奏法で演奏して自分の中に馴染ませていきます。皆さんも、プライベートではそのような経験があると思います。

実は、会社で行われる「研修」も同じです。「研修後」の「実践出来る環境(体制)」が研修の投資対効果を高めます

会社が投資して研修(=インプット)を行うのですから、実践(=アウトプット)して経営課題解決に活かしてもらわないとなりませんよね。

あくまでも、私が提供する実践型ワークショップ(研修)の場合ですが、以下の3点は最低限行っています。

  1. 「最初に最低限の知識のインプットを行ったら、直ぐにそれらを活用し、その過程で新たな知識をインプットすることを繰り返す」
  2. 「予め用意した課題による練習後は、各自(または部門やチーム)の実際上の課題をテーマに実践を繰り返す」
  3. 「ワークショップ後に実務環境に戻っても継続して実践し、上司・部下が共通言語で取り組み続ける」

以前、某製造メーカー様から製品販売型の営業担当者達を問題解決型営業担当者に2年で転換したいとご相談を受けたことがあります。

その場合、上記の3について下記をご提案し、取り組んでもらいました。

  • 2日間のワークショップ後、問題解決型営業チーム創設してもらう。
  • 受講者の中から5から10名を選定し、そのチームへ「完全異動」してもらう。兼務は無し。
  • チームリーダーも受講された中から現役部長・課長を選出してもらう。
  • 問題解決型営業チームでは、ワークショップで学んだ方法に徹底的に沿って実行してもらう。
  • 問題解決型営業チーム向けに人事評価システムを検討してもらう。
  • チームの在籍期間は最長2年として、このチームを卒業した後は、他の営業部に異動し問題解決型営業リーダーとして営業変革を実践する。
  • 私が定期的に営業会議及び、幾つかの案件会議にてコーチングを行い、実務での学びの活用と定着化をご支援させて頂く(オプション)

考えてみてください、研修を行って組織で変革しようとしているのですから、組織で取り組まなくては成功しませんよね。

研修後は個々の受講者の実践に依存していては、結果として個人スキルが伸びて転職されてしまいますよね。投資回収が出来ないということになります。

ここまで徹底して研修効果の定着化を目指し投資対効果を収益という形で得たいと考えているかどうかは、経営層がどの程度、戦略的に「研修」を戦略オプションとして考えているのかに依存します

決して、人事部の方々だけの問題ではないということですね。

是非、研修は経営戦略に必要な一つの武器であるということを、認識してくださいね!

さて、次回は、

「社内の各種会議資料とゲームの手法を組み合わせると効果出ると思いませんか?」

です。

今回も、ここまでお読み頂き有難うございました!

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