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DX=Digital Transformation リモートワーク

なぜ、日本企業はコロナ禍で リモートワークに本気で 取り組めないのか? IT環境の提供だけでは ダメ! 大事なこと忘れてるかも?

皆様、こんにちは!
ブルーウッズ・ストラテジック・アソシエイツ
代表 塩谷です。

さて、前回は

「DX経営戦略を進めることで、あなたの現在の事業定義や価値が大きく変わる? それともDX戦略っぽい取り組み程度で済ましますか?」

でした。

今回は、

「なぜ、日本企業はコロナ禍でリモートワークに本気で取り組めないのか? IT環境提供だけでダメ! 大事なこと忘れてるかも?」

です。

それでは、はじめていきましょう!

現在、菅首相が経団連に対しテレワークの更なる徹底のお願いをされていましたね。※本文では、テレワークをリモートワークと記載させて頂きます。

思えば2020年2月から3月にかけて、コロナ感染拡大が止まらずリモートワークへ多くの企業が移行されたことを鮮明に覚えています。当時、マイクロソフト社に在籍していましたが、3月あたりからお客様先訪問型のお打合せからオンライン型にどんどん切り替わっていきました。

実は、私自身のリモートワークへの取り組みは2000年頃からだったと記憶しています。当時はソフトバンク・グループのIT企業にいたのですが、どんどんデジタルを活用して業務効率化が進む時代で、ネットワーク環境もブロードバンド(ADSL)の普及が始まっていたこともあり、ITの進化に合わせる様に働き方も自然とオフィス集合型に捉われない新風がIT業界に吹いてきた時代でした。

自宅にブロードバンド環境が整うことで通信スピードを気にせずに会社のネットワークへワンタイムパスワードカードを使って接続し業務が行えるようにもなりました。会社の同僚とはメッセンジャーツール(当時はLyncを使用)などでテキストベースの会話が主流となりましたが直ぐにネットワーク環境が強化されると、音声やビデオ通話などを多用するようになっていきました。IP電話もどんどん普及しましたね。これはiPhoneが世に出てくる数年前の状況です。

デジタル技術がどんどんオフィス環境に浸透してきたことで、業務日報を外出先からメールで送信するなどが出来る様になり、直行直帰型スタイルが確立されていきました。

そういえば、ITが本格的に展開する前の外出時の光景として思い出されることがあります。オフィスの目立つ所に各自の名前が書いているホワイトボードが設置され、外出時に水性ペンで行先を書くなんてことやってましたね! この時代の読者で覚えていらっしゃる方がどのくらいいるでしょうか?

「塩谷:〇〇商事→〇〇社→〇〇社 NR(=Not Return)」

ちなみに、翌日直行する場合には

「塩谷:〇〇商事→〇〇社→〇〇社 NR / 〇日 〇〇社直行 R x:xx(戻り時間と言う意味です)」

それが、やがてExchangeやLotus Notesなどのグループウェア等(メール、予定表などの機能がまとまったもの)が社内展開されてからはホワイトボードは多くの企業オフィスから姿を消しました。※まだ、ホワイトボードで外出管理している企業もあると思います。

お客様から電話が来るとアシスタントや同僚が、担当者の予定表をパソコン上で確認して回答するというスタイルに変化しました。いやー、書いていて懐かしい!

その後、IT業界だけではなく多くの業界でIT強化が行われたのですが、特にオフィス環境の変化は大きかったです。その当時、デスクの配置は「島型」と言われるものでした。上司がお誕生日席に座り、部下のデスクが対面で配置されているレイアウトです。現在もこのレイアウトは残っていますね。しかし、あっという間に「無線LAN、ワイヤレス」が出現したことでオフィスレイアウトも変化してきました。通常、床下に這わせていたネットワークケーブルを回線分配装置(ハブとかスイッチ)で各自のデスク上のパソコンと接続していたのですが、無線LANが普及するにれ床下工事が不要となりました。また、無線LANになったことで各自のデスクに鎮座していた大きな画面のディスプレイと箱型のパソコンもノートパソコンへと切り替えが始まりました。

そして、座る場所も自由にどうぞってことで、オフィスには各自のロッカーのみ用意しますので、好きな場所で仕事してくださいというフリーアドレス制のオフィスに変わって行きましたね。おかげで、毎日上司や部下が違う場所に座っているので話したくても相手を探せないと不満を漏らしている人もいました。自然と同じ人が同じ位置に座る様になっていき、いつのまにかペン立てや本が並べられて陣地が出来上がっている状況もチラホラ現れました。。。

画面上からチャットツールで相手にチャットを打てばいいだけなのですが。。。

こんな経験を思い出しました。。。チャット経由で上司から

上司「塩谷さん、少し〇〇案件で話がしたいのだけれど」
 「はい、どういったお話でしょうか?」
上司「ちょっと、直接話せる?」
 「このまま通話でもいいですか?」
上司「今、どこに座っているの?」

このやり取りが続き、結局、私は外で仕事してたというオチです。上司は「なんかやりにくいなぁ」とチャットで返してきてました。

さて、そして時は進み、2008年、そうなのです!
“iPhone”が日本でも発売されました!私はそれまで個人で電子手帳(PDA=Personal Digital Assistant)を会社のメールと連動させて外でもメールを確認し、返信出来るようにしていたのですが、パソコンとPDA、携帯電話の3台持ちでした。それ以上の数の電子機器を持ち歩いている同僚もいました。

iPhoneはかなりのスピードで私たちの生活の中に一気に浸透し、同時にビジネスの世界にも影響を及ぼし、多くの業務を手のひらの上にあるスマホの中で行えるようになりましたよね。

更にタブレットも現れて、どんどんは仕事環境が変わってきたのは、皆様の知るところですよね。

※前振りが長くてすみません!!
でも、振り返りがどうしても必要だったんです!
ここから本題に入ります!


さて、ちょっと端折りながら振り返ってきましたが、もう2000年当時から21年が経過しようとしています。デジタル技術はどんどん進化し、ほとんどのビジネスにおいてデジタルが下支えしていると言っても過言ではなくなりました。ようは日本企業の業務はデジタル・テクノロジーの支えによって成り立っているという状況だと言えます。新たなテクノロジーが海外企業から出る度に、私たちの業務を支えるデジタル環境は適応を余儀なくされてきましたよね。IT部門の方々は大変です。

しかしですよ、昨年1月頃からのコロナ禍以降、リモートワークが出来る企業と出来ない企業という二極化が起きています。実際、日本企業のリモートワーク化率は低い状況です。あれ?20年前からの振り返りで仕事環境を取り巻くテクノロジーは変化してきており、それに企業としては適応して来たよね?それなのに、リモートワークが出来てない企業がいるのです!こう書くと「そりゃ医療従事者とか介護士とか、飲食店従業員とか、現場業務がある人もいるだろう!」との声が聞こえてきます。それは、その通りです。私も同感です。それは否定しません。その通りですから。

でも、実際、ニュース番組などでリモートワークに関する会社員への街頭インタビューを聞くと、ちょっと、違和感を感じます。

「うちは、リモートワークが出来ないんですよねぇ。お客様先に行くのが仕事なので」

「私は営業職なのでリモートワークが出来ないんですよね」
「リモートワーク環境はあるんですけど、どうしても紙の書類があって出社しないとダメなんですよね」

「リモートワークになってから生産性が落ちましたね」
「リモートワークでオンライン会議していても、子供が家にいて会議にならないんですよね」
「リモートワークになったら、オンライン会議が増えて逆に休憩時間なく、次から次への会議で。。。仕事時間長くなりましたよ」
「毎月末は紙の書類にサインしてハンコ押さなくてはならなくてね。出社しないと出来ないんですよ」
「やはり、会社に社員が来ていないと、ちゃんと働いているか管理が出来ないんですよね。。。不安になるというか」
「うちは、一日に何度か、現在の自分のパソコンのディスプレイの画面ショットを上司送らされますね」※マジか・・・


他にも出るわ出るわリモートワークへの不平不満。
もしかして。。。皆さんも、不平不満あるんじゃないでしょうか?

もちろん、リモートワークによるメリットも沢山あるのですが、何故かテレビではあまり取り上げてくれないですよね。やっぱり、世の中、リモートワークにいい気持ちを持っていないのかもしれませんね。

さて、このリモートワークがなかなかうまく機能しない企業ってどうしてだろう?と考えて、実際にお客様にお聞きしてみたところ、リモートワークを進めるにあたり下記の検討ポイントがしっかり対応されていないことが分かりました。

  1. リモートワーク実施環境に向けたテクノロジー変革
  2. リモートワークに対応した業務プロセス変革
  3. リモートワークで働くことに対する従業員意識変革

この三つの一つでも不足していることがあれば、リモートワークは上手く機能しないと考えました。

上記1の「テクノロジー変革」についてですが、昨年リモートワークへスムーズに移行出来た企業と、環境整備に急遽対応しなくてはならなくなった企業がいらっしゃいました。急な対応にバタついた、または対応出来なかった企業の多くは外部から社内のシステムに入って来るアクセスの問題に時間を取られました。メールやオンライン会議については、ZoomやTeams, Gmail, OutlookなどのSaaSサービスを利用すれば一応の対処が可能です。しかし、社内の独自システムへのアクセスとなると各社で用意されている外部アクセス環境では対応が出来ていないということが多く見受けられました。こればかりは、既存システム設計が社内環境からのアクセスを前提にしているなどもあり、特定の条件であれば外部アクセスを許可するケースが多いので、急な対応は難しく、改善するとなると結構なコストが掛かります。急なパンデミックが発生したとはいえ事業継続の観点から事前対応が必要でもありました。現時点でも対応出来ていない企業がいらっしゃると考えます。

上記2の「業務プロセス変革」についてですが、なぜリモートワーク環境になるのに業務プロセスの見直しを行わないのでしょうか? 基本的にほぼ業務はオフィスに出社して行うことを前提設計されていませんか?オフィスに出社して行っていた業務と同じプロセスを、自宅でも同じプロセスで行う必要はないのではないか?リモートワークに適した業務プロセスに変革しないで、環境だけ提供して「さぁ、仕事頑張って!」ではリモートワーク環境下で業務の生産効率は落ちます。上記1のテクノロジー環境を変えたら、上記2の業務プロセスも変わる、業務プロセスが変わるのなら、テクノロジー環境も変わらなければならないことを忘れている企業はリモートワークがなかなか進みません。

また、クラウドサービスを活用することも、特に中小企業では検討することをお薦めします。営業管理サービス、財務・会計サービス、人事サービスを始め、サプライチェーンなど、様々な業務サービスがSaaS(Software as a Service)形式で提供されています。これは、簡単に言うと自社でいちいち拘ってシステム構築せず、月額利用費用を払って利用するサービスです。2014年当時、私の担当していた某北欧企業ではセールスフォースやNetSuiteなどを利用して、構築した既存システムをSaaS型に移行し、業務プロセスの93%をSaaS型に切り替えました。理由は自社で様々なシステムを管理していくことは不効率だからです。セキュリティのアップデート、最新テクノロジーへの対応など。外国企業はいたって合理的です。そして、日本企業はカスタマイズが大好きですよね。「うちは業務が特殊だから」という理由でカスタマイズをし過ぎてしまい、パッケージを導入しても一から作った方がよかったんじゃないか?という程の費用をかけてカスタマイズを施して、メーカーのアップデートに対応出来なくなる悲しい結末を何度も見てきました。そもそも、様々な海外の業務系サービスはそのまま利用すれば追加コストを多大にかけなくても良いように作られています。ようは、自社の現行業務をパッケージに合わせるのが良いのです。でも、カスタマイズしたくなるんですよね。自分達の現行業務が本当に効率的なのか?20年も前から同じ方法で良いのか?自問自答することよりも、カスタマイズしたくなるんですね。システム系に数億円投資出来る大手企業は自由にカスタマイズすれ良いですが、中小企業はそうは行きませんよね?なので、私は、テクノロジーと業務はセットで変革することをお薦めしています。

また、「うちの業務はリモートワークに向いていない」「現場に行かないと成り立たない」という企業の皆様も必ずいらっしゃるのは当然です。その場合、私は「自社の組織で出社不要業務部門と要現場対応業務部門に分類してみてください」と提言しています。例えば、営業職はどうしても客先に行かなくてはならないが営業企画、アシスタントは出社しなくてもいいよね?この様に、分類をしていくことで「うちは、リモートワークに向いていない」と思えていてもリモートワーク対応できる業務があることに気づくものです。最終的には上記1のテクノロジー対応コストと上記2の効果を検討して判断することになります

例えば、経営層が「我が社もリモートワークを早急に進めなさい!」と掛け声をかけた場合、上記1についてはIT部門が対応し、外部のシステムベンダーに連絡して直ぐに対応するでしょう。そして、上記2についてはリモートワーク開始直後よりも、暫くして「出社しないと業務効率が悪いです!」という不満の声があがり週の数日交代で出社するリモートワーク日を設定することになり多少の業務変革で終わります

しかし、上記1,2だけの取り組みだけではリモートワークの効果を得るには不十分です。実は、上記3の「従業員意識変革」が一番重要だと考えます。皆さんは、昨年リモートワークが始まった時、こんなことを思いませんでしたか?「コロナは暫くすると収まるから、このリモートワーク状態は長くない。直ぐにオフィスで仕事する状態に戻るさ」 日本では、リモートワークはあくまでも一時的な働き方という位置づけが高く、いつかオフィスに出勤して業務する日が来ると思いながらリモートワークされているなと感じる言動を耳にします。でも、考えてみると昨年3月からリモートワークの取り組みが始まり、リモートワークの更なる徹底を政府は要望しています、そしてコロナは収まる気配を見せていません。もし、本気でリモートワークで業務効率を上げたいと思うのなら、従業員に対して経営層は覚悟を示す必要があります。

例えばですよ! あくまでも例えばですが。。。経営層は従業員の意識改革と合わせてリモートワークを推進するために以下の様なメッセージを従業員に投げてみるのです。

「従業員の皆さん、昨年のコロナ禍で弊社もリモートワークに切り替えて、いつかコロナが収まりオフィスでの通常業務に戻れると考えながら事業を進めてきました。しかし、コロナが収まる気配が見えない今、我が社は、今後リモートワークをメインの働き方として改めてリモートワークの本格的環境整備とリモートワークに合った業務プロセスへの変革、そして何より従業員の皆さんには、いつかオフィスで業務する日が来るという意識を捨てて頂きたい。リモートワークで如何に業務効率を上げて事業を伸ばしてくのか考えるよう意識を切り替えることを業務命令とします!」

こんな風に覚悟を以って経営層が率先しリモートワークを推進する姿勢を示すことで、組織全体で意識を切り替えられます従業員の情緒的区切りをつけることが大事です。※米国では、新システムに切り替えるにあたり、旧システムのさよならパーティーを行い従業員への気持ちの切り替えを行ったりします。

ということで、日本企業の多くがリモートワークを推進しコロナ禍など関係なく継続して生産性高い事業活動が行えるように、私も微力ながらコーチ型コンサルティングでご支援して参りたいと思っています!

さて次回ですが、

「自社のWebサイトを24時間365日顧客対応可能な営業担当者にしていますか? Webサイトも重要な経営資産ですよ!」

です。

本日も、ここまでお読み頂きまして有難うございました!

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