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DX=Digital Transformation

「自社のWebサイトを24時間365日顧客対応可能な営業担当者にしていますか? Webサイトも重要な経営資産ですよ!」

皆様、ブルーウッズ・ストラテジック・アソシエイツ
代表 塩谷です。

本日もお読み頂きまして有難うございます!

前回は、

「なぜ、日本企業はコロナ禍でリモートワークに本気で取り組めないのか? IT環境提供だけでダメ! 大事なこと忘れてるかも?」

というテーマでした。政府からもリモートワークの徹底を言われていますが、まだまだ取り組めない企業が多くいらっしゃいますね。

さて、今回は

「自社のWebサイトを24時間365日顧客対応可能な営業担当者にしていますか? Webサイトも重要な経営資産ですよ!」

について書いてみたいと思います。

それでは、はじめましょう!

ブログではDX(=Digital Transformation)戦略について連続投稿しましたが、DX戦略と言うとキラキラした社外DXの取り組みや、逆に地道に社内システムに磨きをかける社内DXなどがよくテーマに上がります。その中で、結構手薄で、多くの法人企業が手を付けいない領域があります。それが「Webサイト(ホームページ)」です。このWebサイトに掲載されている情報の多くは法人の場合、社長ご挨拶、会社概要、事業案内、商品案内、IR情報、採用情報、お問い合わせなど、だいたいどこも同じような構成になっています。そして、自社のWebサイト管理は広報部門や情報システム部が片手間に運用している企業もいらっしゃいます。

私はそのような状況に違和感を感じます。

そこで質問があります。

  1. あなたの会社のWebサイトの目的は何ですか?
  2. あなたの会社のWebサイトの役割は何ですか?

上記二つの質問を考えながら自社のWebサイトを暫く眺めてみてください。

明確に答えられそうですか? 多分、答えられない人の方が多いと推察します。答えられる方はWebサイト構築時に関与されていた方だと思います。

特に、上記2は非常に大事なポイントです。あなたの会社のWebサイトを閲覧した人に取って欲しいアクションを定義しているかをWebサイト担当者に是非確認してみてください。

本来Webサイトの役割はIR活動の為だけじゃないですよね?

次に、下記の質問について考えてみてください。

  1. あなたの会社のWebサイトは誰に対して、何を伝えたいのですか?
  2. あなたの会社のWebサイトは事業収益にどの様に寄与していますか?
  3. あなたは会社のWebサイトを事業(業務)活動で利用していますか?

上記三つの質問を考えながら自社のWebサイトを暫く眺めながら考えてみてください。

如何ですか? 例えば、

上記3の「誰に」については、別に投資家向けにWebサイトを用意しているわけではないですよね?

上記4の「事業収益への寄与」については、直接的収益貢献間接的収益貢献に分けられます。例としては、もし、自社でネット販売(EC)をされているのなら直接的収益貢献、見込み顧客を獲得に貢献しているのであれば間接的収益貢献となります。

上記5の「事業(業務)活動への利用」については、営業担当者がお客様先にお伺いした際にタブレット端末を活用しながら、自社のWebサイト上にあるコンテンツをお客様との商談時に活用しているなどを指しています。

ここまで5つの質問を投げかけさせていただきました。その理由は「まずはネットで調べる」という時代に適応した自社のWebサイト活用が行われているかを意識して欲しいからです。デジタルを経営に活用することを考える際にWebサイトが置き去りになっている企業が多くいます。実際、大手企業であっても「このWebサイトにどんな役割をさせようと考えているのだろう?」と感じることが多いですから、東北地方の零細、中小企業のWebサイトを拝見すると「もっと有効活用すればいいのに」と感じます(まぁ、大手企業のWebサイトでもそうですが。。。)そこで、私はWebサイトを戦略的に活用する場合の最初の取り組み落として「Webサイトに365日24時間営業要員として働いてもらう」ことから始めてみることをお薦めしています。

「Webサイトに365日24時間営業要員として働いてもらう」とはどいうことかと言えば、言葉の通りデジタル営業として営業活動をしてもらうということです。

言葉で書くと簡単なのですが、これを本気でやろうと腰を据えて以下の三つのポイントを考える必要があります。

  1. 現在の営業プロセスにおける課題把握と改善
  2. 現在のデジタルとアナログのマーケティング戦略の見直し
  3. 適切なデジタルツールの選択

1,現在の営業プロセスにおける課題把握と改善

自社のWebサイトを24時間365日働けるデジタル営業とするためには以下の主なアクションが必要なります。

  • 現行の人的営業プロセスとあるべき営業プロセスの姿との差異(ギャップ)の明確化と問題テーマの設定
  • 現行の人的営業プロセスのどこに問題があるのかの特定。
  • 現行の人的営業プロセスにおいて特定された幾つかの問題の中から優先的に対応する問題の選定
  • 優先的に対応する問題を引き起こしている課題分析
  • その課題が引き起こされている原因分析 ※原因は複合的である場合が多いです。
  • 各原因を潰すための解決の方向性の検討
  • 各原因を潰すために検討された解決の方向性の中からデジタル技術を適用できる領域の検討 ※ここではツール選定まではしません。あくまでもデジタル技術を活用出来るかどうかにとどめる。
  • 営業成績の高い営業担当者と低い営業担当者両方に対して、同じ顧客課題を投げてどの様にアクションするのかをヒアリングし、受注成功の営業シナリオパターンを幾つも明確化する。尚、営業成績が良い人のやり方が正しいとは限らないので、そこはしっかり分析します。

2,現在のデジタルとアナログのマーケティング戦略の見直し

  • 人的営業活動で使用しているチラシ、紹介資料などの営業ツールなどの棚卸とデジタル化の検討
  • セミナーやイベントなどの企画内容及び、アンケート結果、商談化案件数などの分析
  • 案件化した後、受注ステージに辿り着いた案件のプロセス分析と原因分析 ※受注まで行かなかった案件も同様に実施
  • TwitterやLINE、Facebook、YouTubeなど、各種ソーシャルメディア事の目的と役割の再検討と効果検討
  • CRMなど顧客管理ツールを利用している場合には、どの様なデータを収集しているのかを棚卸する。

まず、ここまでで一旦ストップしましょう。

主なアクション項目をご覧になると、通常の営業業務プロセス改革と同じことを行っていると思われたかもしれません。実は、営業のデジタル化だからと言っていきなり営業管理システムの導入とか、クラウドサービスを利用することを考える方々が多いのですが、その前にやることが色々とあるんですね。検査もろくにしないで、最初から内視鏡手術で行きましょうとは医師は言わないですよね?

さて、次に行うことは上記1と2を組み合わせて業務プロセスを再構築してみる流れにとなります。現行の営業プロセス改革の方向性と現在のアナログ・デジタルマーケティングの施策を組み合わせてた営業プロセスを再構築します。但し、直ぐに使用するデジタル・ツールの検討は行わないでくださいね。この再構築した営業プロセスが機能するのかどうかを営業部とマーケティング部門(営業企画など)含めてじっくりと検討し、実際に検証してみます。

この検証を何度か繰り返し、課題タイプの定義、課題タイプ毎のコンテンツの充実化、興味を喚起するコンテンツの提供など、自社のWebサイトを訪れた人が営業担当者から連絡を希望するまでのシナリオの策定と人的営業担当者がお客様との対面コミュニケーションやメールでのやり取りにおいてWebサイトにあるコンテンツをどの様に活用するか効果的なシナリオを策定します。

尚、この策定シナリオは一度策定したら終わりではなく、継続的に検証・分析・改善・再検証を繰り返し続けます(アジャイル)。 ちなみに、私がコーチ型コンサルティングでご支援しているケースでは、全体3ヶ月を一つの区切りとして、営業とマーケティング(または営業企画)、IT部門を含めたチームを構成して頂いています。基本的には専任として動いてもらいます。専任でとお願いすると、だいたい営業成績が良くない担当者をアサインしてくる傾向にありますので、その場合には忖度なく替えてもらいます。

3,適切なデジタルツールの選択

いよいよデジタルツールの選択となります。上記1、2の取り組みを行い、最終的に再構築したデジタルを活用した営業プロセスを支えるデジタル・ツールに必要な条件を検討して行きます。

Webサイトをデジタル営業担当として働いてもらうのですから、やはりWebサイトを構築しているプラットフォームから見直しする必要があります。しかし、大手企業の様に潤沢にWebサイトへ投資しすることが全ての企業で行えるわけではありませんよね。そこは投資できる予算の範囲で出来る限りのことを検討することになります。

ただ昨今では自社でシステム構築して開発し、それを保守運用するモデルよりも、基本的にクラウドサービスを利用して構築した方が効率的であり、費用面だけではなく潜在コスト(システムのアップグレードや機能強化、セキュリティ対策などなど)の管理がしやすくなってきています。毎年のライセンス契約費用が上がっていく場合もありますが、それを高いと思うのか妥当と思うかは採用したサービスによる投資対効果によります。なので最初に役割と目的の策定が重要なのです。

尚、クラウドサービスを利用する場合のコツですが「基本的に自分達の業務を出来るか限り採用するサービスの機能に合わせる」ということです。日本企業はカスタマイズ(自分好みに修正)が大好きです。しかし、カスタマイズは出来る限り行わない方がコストが抑えられます。カスタマイズし過ぎたことで原型をとどめなくなってしまい、メーカーが新しい機能を強化してもカスタマイズし過ぎで対応出来ないという事例が沢山あります。そもそも「うちは特殊だから」という言葉は色々な意味でリスクが潜んでいます。

さて、24時間365日不平不満を言わずに営業してくれるWebサイトのプラットフォーム選定の際に気にし置くべきポイントがあります。

ご参考までに下記に幾つか記載致します。

パーソナライゼーション機能があるか?
超簡単に言うと、様々な課題を持った10人のユーザーがWebサイトに同時に訪問して来た時に、表示する情報を10人それぞれに出し分けて表示出来るする感じです。(※主なメーカー:サイトコア、アドビなど)

デジタル資産管理機能があるか?:超簡単に言うと、Webサイト上で使用している画像や文章など、または紙のカタログに使われているデザイン情報や商品説明などを共通して利用できる管理機能。多分、多くの企業では紙ベースの営業資料とWebサイト上に掲載する資料や情報は分けて管理していると思いますが、これを一元管理して効率よく運用する機能です。海外にも展開されている企業ではとても効率的に管理ができます。

マーケティング管理機能あるか?
:超簡単に言うと、10人のWebサイト訪問者がそれぞれ最初のページでクリックしたコンテンツ(記事)を特定して、次に表示させるコンテンツを出し分ける機能。例えば、紙の新聞を例にすると経済に興味ある人、スポーツに興味ある人、国際問題に興味ある人ごとに紙面構成をリアルタイムに変えていくというイメージです。

顧客管理システム、営業管理システムとの連携機能があるか?:超簡単に言うと、Webサイト上で閲覧者(=将来の見込み客)がどの様な情報に興味を持ったのかを、まだどこの誰だか分からない段階から顧客管理システムに情報を蓄積していく機能。最終的にお問合せが来た時点で過去の閲覧情報を結びつけることが出来ます。営業担当者にはお問い合わせが来た段階でフォローに入れるので効率的です。また、既存顧客においても有効で、営業訪問後にメールにWebサイト上の特定ページのリンクを張り付けてメールして閲覧しに来てくれているかどうか、どのくらいの時間見てくれたか、その他のページや情報も見てくれたかなど、対面で話せていない間の既存顧客の関心毎を垣間見ることにも役立ちます。(主なメーカー:セールスフォース、マイクロソフトなど色々ありますね。)

非技術系の人でもページ内の情報を編集したり、各種設定がし易いユーザーインターフェースになっているか?:超簡単に言うと、パワーポイントやワードで編集するようにページ作成することが出来る機能。多くの企業ではWebサイトのページ作成やページ内の文言などを編集する時には担当者に依頼しているケースが多いです。または外部委託先に費用を払って修正、編集してもらうなど。これだと、スピードが遅すぎるし、わずかばかりの作業のために費用が発生するのはバカげているので自分達で手を動かしましょうというイメージです。昨今は、ほんと編集がしやすくなりました!

分析機能があるか?:超簡単に言うと、自社のWebサイトの各ページの閲覧状況を確認する機能です。例えば、あるAというページを閲覧した人の多くは、必ずDというページを見ていて、お問い合わせにつながっているぞ、ならばページの構成や流れを変えるか? この様な分析に役立つ機能です。もっといろいろなことが出来ますが。

EC機能があるか?:これは、本当にオプションでしかありませんが、法人向け事業においてもEC機能を利用する面白い方法があります。海外の某大手化学薬品メーカは、何万点となる自社商品の紹介資料をEC機能を自社サイトに付加して、カートに入れてダウンロード出来る様にしました。検索もし易いし、ダウンロードする際にメールアドレスなど最低限の情報を入力させることでお礼メールも送れます。これも営業プロセスにデジタルを組み合わせる方法の一例です。決済の発生しないECの活用例です。

さて、いろいろと書いてきましたが、24時間365日営業活動してくれるWebサイトを構築するには投資は必須となります。これは避けて通れません。しかし、営業担当者を一人採用し育成し、結果が出るまでに掛かる費用を試算してみてください。デジタル技術を活用することで、営業担当一人分ではなく、複数人分の働きをしてもらうことが可能となります。そして、人的営業資源をより手厚く対応するべき顧客に配置させることが出来ますよね。

ということで、

  • 現在の営業プロセスにおける課題把握と改善
  • 現在のデジタルとアナログのマーケティング戦略の見直し
  • 適切なデジタルツールの選択

について、表層レベルですがサラッと追ってみました。折角、Webサイトを構築しているのに活用しないのは勿体ないです。24時間365日営業活動をしてくれるWebサイトを構築することで、特に中小企業では少ない営業人員で生産性高く営業活動が行うことが可能です。是非、自社のWebサイトの有効活用をこのコロナ禍だからこそ検討してみてください! そして、地方の企業経営者の皆様、地方こそデジタルを活用しましょう!

さて、次回は、研修について書いてみたいと思います。最近、ある経験を二つ程したのですが。。。

「研修に参加すると盛り上がるのに、業務に戻ると学びを活かせない。。。研修の投資対効果を意識してますか?」

です。

本日も、ここまでお読み頂きまして有難うございました!

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DX=Digital Transformation リモートワーク

なぜ、日本企業はコロナ禍で リモートワークに本気で 取り組めないのか? IT環境の提供だけでは ダメ! 大事なこと忘れてるかも?

皆様、こんにちは!
ブルーウッズ・ストラテジック・アソシエイツ
代表 塩谷です。

さて、前回は

「DX経営戦略を進めることで、あなたの現在の事業定義や価値が大きく変わる? それともDX戦略っぽい取り組み程度で済ましますか?」

でした。

今回は、

「なぜ、日本企業はコロナ禍でリモートワークに本気で取り組めないのか? IT環境提供だけでダメ! 大事なこと忘れてるかも?」

です。

それでは、はじめていきましょう!

現在、菅首相が経団連に対しテレワークの更なる徹底のお願いをされていましたね。※本文では、テレワークをリモートワークと記載させて頂きます。

思えば2020年2月から3月にかけて、コロナ感染拡大が止まらずリモートワークへ多くの企業が移行されたことを鮮明に覚えています。当時、マイクロソフト社に在籍していましたが、3月あたりからお客様先訪問型のお打合せからオンライン型にどんどん切り替わっていきました。

実は、私自身のリモートワークへの取り組みは2000年頃からだったと記憶しています。当時はソフトバンク・グループのIT企業にいたのですが、どんどんデジタルを活用して業務効率化が進む時代で、ネットワーク環境もブロードバンド(ADSL)の普及が始まっていたこともあり、ITの進化に合わせる様に働き方も自然とオフィス集合型に捉われない新風がIT業界に吹いてきた時代でした。

自宅にブロードバンド環境が整うことで通信スピードを気にせずに会社のネットワークへワンタイムパスワードカードを使って接続し業務が行えるようにもなりました。会社の同僚とはメッセンジャーツール(当時はLyncを使用)などでテキストベースの会話が主流となりましたが直ぐにネットワーク環境が強化されると、音声やビデオ通話などを多用するようになっていきました。IP電話もどんどん普及しましたね。これはiPhoneが世に出てくる数年前の状況です。

デジタル技術がどんどんオフィス環境に浸透してきたことで、業務日報を外出先からメールで送信するなどが出来る様になり、直行直帰型スタイルが確立されていきました。

そういえば、ITが本格的に展開する前の外出時の光景として思い出されることがあります。オフィスの目立つ所に各自の名前が書いているホワイトボードが設置され、外出時に水性ペンで行先を書くなんてことやってましたね! この時代の読者で覚えていらっしゃる方がどのくらいいるでしょうか?

「塩谷:〇〇商事→〇〇社→〇〇社 NR(=Not Return)」

ちなみに、翌日直行する場合には

「塩谷:〇〇商事→〇〇社→〇〇社 NR / 〇日 〇〇社直行 R x:xx(戻り時間と言う意味です)」

それが、やがてExchangeやLotus Notesなどのグループウェア等(メール、予定表などの機能がまとまったもの)が社内展開されてからはホワイトボードは多くの企業オフィスから姿を消しました。※まだ、ホワイトボードで外出管理している企業もあると思います。

お客様から電話が来るとアシスタントや同僚が、担当者の予定表をパソコン上で確認して回答するというスタイルに変化しました。いやー、書いていて懐かしい!

その後、IT業界だけではなく多くの業界でIT強化が行われたのですが、特にオフィス環境の変化は大きかったです。その当時、デスクの配置は「島型」と言われるものでした。上司がお誕生日席に座り、部下のデスクが対面で配置されているレイアウトです。現在もこのレイアウトは残っていますね。しかし、あっという間に「無線LAN、ワイヤレス」が出現したことでオフィスレイアウトも変化してきました。通常、床下に這わせていたネットワークケーブルを回線分配装置(ハブとかスイッチ)で各自のデスク上のパソコンと接続していたのですが、無線LANが普及するにれ床下工事が不要となりました。また、無線LANになったことで各自のデスクに鎮座していた大きな画面のディスプレイと箱型のパソコンもノートパソコンへと切り替えが始まりました。

そして、座る場所も自由にどうぞってことで、オフィスには各自のロッカーのみ用意しますので、好きな場所で仕事してくださいというフリーアドレス制のオフィスに変わって行きましたね。おかげで、毎日上司や部下が違う場所に座っているので話したくても相手を探せないと不満を漏らしている人もいました。自然と同じ人が同じ位置に座る様になっていき、いつのまにかペン立てや本が並べられて陣地が出来上がっている状況もチラホラ現れました。。。

画面上からチャットツールで相手にチャットを打てばいいだけなのですが。。。

こんな経験を思い出しました。。。チャット経由で上司から

上司「塩谷さん、少し〇〇案件で話がしたいのだけれど」
 「はい、どういったお話でしょうか?」
上司「ちょっと、直接話せる?」
 「このまま通話でもいいですか?」
上司「今、どこに座っているの?」

このやり取りが続き、結局、私は外で仕事してたというオチです。上司は「なんかやりにくいなぁ」とチャットで返してきてました。

さて、そして時は進み、2008年、そうなのです!
“iPhone”が日本でも発売されました!私はそれまで個人で電子手帳(PDA=Personal Digital Assistant)を会社のメールと連動させて外でもメールを確認し、返信出来るようにしていたのですが、パソコンとPDA、携帯電話の3台持ちでした。それ以上の数の電子機器を持ち歩いている同僚もいました。

iPhoneはかなりのスピードで私たちの生活の中に一気に浸透し、同時にビジネスの世界にも影響を及ぼし、多くの業務を手のひらの上にあるスマホの中で行えるようになりましたよね。

更にタブレットも現れて、どんどんは仕事環境が変わってきたのは、皆様の知るところですよね。

※前振りが長くてすみません!!
でも、振り返りがどうしても必要だったんです!
ここから本題に入ります!


さて、ちょっと端折りながら振り返ってきましたが、もう2000年当時から21年が経過しようとしています。デジタル技術はどんどん進化し、ほとんどのビジネスにおいてデジタルが下支えしていると言っても過言ではなくなりました。ようは日本企業の業務はデジタル・テクノロジーの支えによって成り立っているという状況だと言えます。新たなテクノロジーが海外企業から出る度に、私たちの業務を支えるデジタル環境は適応を余儀なくされてきましたよね。IT部門の方々は大変です。

しかしですよ、昨年1月頃からのコロナ禍以降、リモートワークが出来る企業と出来ない企業という二極化が起きています。実際、日本企業のリモートワーク化率は低い状況です。あれ?20年前からの振り返りで仕事環境を取り巻くテクノロジーは変化してきており、それに企業としては適応して来たよね?それなのに、リモートワークが出来てない企業がいるのです!こう書くと「そりゃ医療従事者とか介護士とか、飲食店従業員とか、現場業務がある人もいるだろう!」との声が聞こえてきます。それは、その通りです。私も同感です。それは否定しません。その通りですから。

でも、実際、ニュース番組などでリモートワークに関する会社員への街頭インタビューを聞くと、ちょっと、違和感を感じます。

「うちは、リモートワークが出来ないんですよねぇ。お客様先に行くのが仕事なので」

「私は営業職なのでリモートワークが出来ないんですよね」
「リモートワーク環境はあるんですけど、どうしても紙の書類があって出社しないとダメなんですよね」

「リモートワークになってから生産性が落ちましたね」
「リモートワークでオンライン会議していても、子供が家にいて会議にならないんですよね」
「リモートワークになったら、オンライン会議が増えて逆に休憩時間なく、次から次への会議で。。。仕事時間長くなりましたよ」
「毎月末は紙の書類にサインしてハンコ押さなくてはならなくてね。出社しないと出来ないんですよ」
「やはり、会社に社員が来ていないと、ちゃんと働いているか管理が出来ないんですよね。。。不安になるというか」
「うちは、一日に何度か、現在の自分のパソコンのディスプレイの画面ショットを上司送らされますね」※マジか・・・


他にも出るわ出るわリモートワークへの不平不満。
もしかして。。。皆さんも、不平不満あるんじゃないでしょうか?

もちろん、リモートワークによるメリットも沢山あるのですが、何故かテレビではあまり取り上げてくれないですよね。やっぱり、世の中、リモートワークにいい気持ちを持っていないのかもしれませんね。

さて、このリモートワークがなかなかうまく機能しない企業ってどうしてだろう?と考えて、実際にお客様にお聞きしてみたところ、リモートワークを進めるにあたり下記の検討ポイントがしっかり対応されていないことが分かりました。

  1. リモートワーク実施環境に向けたテクノロジー変革
  2. リモートワークに対応した業務プロセス変革
  3. リモートワークで働くことに対する従業員意識変革

この三つの一つでも不足していることがあれば、リモートワークは上手く機能しないと考えました。

上記1の「テクノロジー変革」についてですが、昨年リモートワークへスムーズに移行出来た企業と、環境整備に急遽対応しなくてはならなくなった企業がいらっしゃいました。急な対応にバタついた、または対応出来なかった企業の多くは外部から社内のシステムに入って来るアクセスの問題に時間を取られました。メールやオンライン会議については、ZoomやTeams, Gmail, OutlookなどのSaaSサービスを利用すれば一応の対処が可能です。しかし、社内の独自システムへのアクセスとなると各社で用意されている外部アクセス環境では対応が出来ていないということが多く見受けられました。こればかりは、既存システム設計が社内環境からのアクセスを前提にしているなどもあり、特定の条件であれば外部アクセスを許可するケースが多いので、急な対応は難しく、改善するとなると結構なコストが掛かります。急なパンデミックが発生したとはいえ事業継続の観点から事前対応が必要でもありました。現時点でも対応出来ていない企業がいらっしゃると考えます。

上記2の「業務プロセス変革」についてですが、なぜリモートワーク環境になるのに業務プロセスの見直しを行わないのでしょうか? 基本的にほぼ業務はオフィスに出社して行うことを前提設計されていませんか?オフィスに出社して行っていた業務と同じプロセスを、自宅でも同じプロセスで行う必要はないのではないか?リモートワークに適した業務プロセスに変革しないで、環境だけ提供して「さぁ、仕事頑張って!」ではリモートワーク環境下で業務の生産効率は落ちます。上記1のテクノロジー環境を変えたら、上記2の業務プロセスも変わる、業務プロセスが変わるのなら、テクノロジー環境も変わらなければならないことを忘れている企業はリモートワークがなかなか進みません。

また、クラウドサービスを活用することも、特に中小企業では検討することをお薦めします。営業管理サービス、財務・会計サービス、人事サービスを始め、サプライチェーンなど、様々な業務サービスがSaaS(Software as a Service)形式で提供されています。これは、簡単に言うと自社でいちいち拘ってシステム構築せず、月額利用費用を払って利用するサービスです。2014年当時、私の担当していた某北欧企業ではセールスフォースやNetSuiteなどを利用して、構築した既存システムをSaaS型に移行し、業務プロセスの93%をSaaS型に切り替えました。理由は自社で様々なシステムを管理していくことは不効率だからです。セキュリティのアップデート、最新テクノロジーへの対応など。外国企業はいたって合理的です。そして、日本企業はカスタマイズが大好きですよね。「うちは業務が特殊だから」という理由でカスタマイズをし過ぎてしまい、パッケージを導入しても一から作った方がよかったんじゃないか?という程の費用をかけてカスタマイズを施して、メーカーのアップデートに対応出来なくなる悲しい結末を何度も見てきました。そもそも、様々な海外の業務系サービスはそのまま利用すれば追加コストを多大にかけなくても良いように作られています。ようは、自社の現行業務をパッケージに合わせるのが良いのです。でも、カスタマイズしたくなるんですよね。自分達の現行業務が本当に効率的なのか?20年も前から同じ方法で良いのか?自問自答することよりも、カスタマイズしたくなるんですね。システム系に数億円投資出来る大手企業は自由にカスタマイズすれ良いですが、中小企業はそうは行きませんよね?なので、私は、テクノロジーと業務はセットで変革することをお薦めしています。

また、「うちの業務はリモートワークに向いていない」「現場に行かないと成り立たない」という企業の皆様も必ずいらっしゃるのは当然です。その場合、私は「自社の組織で出社不要業務部門と要現場対応業務部門に分類してみてください」と提言しています。例えば、営業職はどうしても客先に行かなくてはならないが営業企画、アシスタントは出社しなくてもいいよね?この様に、分類をしていくことで「うちは、リモートワークに向いていない」と思えていてもリモートワーク対応できる業務があることに気づくものです。最終的には上記1のテクノロジー対応コストと上記2の効果を検討して判断することになります

例えば、経営層が「我が社もリモートワークを早急に進めなさい!」と掛け声をかけた場合、上記1についてはIT部門が対応し、外部のシステムベンダーに連絡して直ぐに対応するでしょう。そして、上記2についてはリモートワーク開始直後よりも、暫くして「出社しないと業務効率が悪いです!」という不満の声があがり週の数日交代で出社するリモートワーク日を設定することになり多少の業務変革で終わります

しかし、上記1,2だけの取り組みだけではリモートワークの効果を得るには不十分です。実は、上記3の「従業員意識変革」が一番重要だと考えます。皆さんは、昨年リモートワークが始まった時、こんなことを思いませんでしたか?「コロナは暫くすると収まるから、このリモートワーク状態は長くない。直ぐにオフィスで仕事する状態に戻るさ」 日本では、リモートワークはあくまでも一時的な働き方という位置づけが高く、いつかオフィスに出勤して業務する日が来ると思いながらリモートワークされているなと感じる言動を耳にします。でも、考えてみると昨年3月からリモートワークの取り組みが始まり、リモートワークの更なる徹底を政府は要望しています、そしてコロナは収まる気配を見せていません。もし、本気でリモートワークで業務効率を上げたいと思うのなら、従業員に対して経営層は覚悟を示す必要があります。

例えばですよ! あくまでも例えばですが。。。経営層は従業員の意識改革と合わせてリモートワークを推進するために以下の様なメッセージを従業員に投げてみるのです。

「従業員の皆さん、昨年のコロナ禍で弊社もリモートワークに切り替えて、いつかコロナが収まりオフィスでの通常業務に戻れると考えながら事業を進めてきました。しかし、コロナが収まる気配が見えない今、我が社は、今後リモートワークをメインの働き方として改めてリモートワークの本格的環境整備とリモートワークに合った業務プロセスへの変革、そして何より従業員の皆さんには、いつかオフィスで業務する日が来るという意識を捨てて頂きたい。リモートワークで如何に業務効率を上げて事業を伸ばしてくのか考えるよう意識を切り替えることを業務命令とします!」

こんな風に覚悟を以って経営層が率先しリモートワークを推進する姿勢を示すことで、組織全体で意識を切り替えられます従業員の情緒的区切りをつけることが大事です。※米国では、新システムに切り替えるにあたり、旧システムのさよならパーティーを行い従業員への気持ちの切り替えを行ったりします。

ということで、日本企業の多くがリモートワークを推進しコロナ禍など関係なく継続して生産性高い事業活動が行えるように、私も微力ながらコーチ型コンサルティングでご支援して参りたいと思っています!

さて次回ですが、

「自社のWebサイトを24時間365日顧客対応可能な営業担当者にしていますか? Webサイトも重要な経営資産ですよ!」

です。

本日も、ここまでお読み頂きまして有難うございました!

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DX=Digital Transformation

「DX経営戦略を進めることで、あなたの現在の事業定義や価値が大きく変わる? それともDX戦略っぽい取り組み程度で済ましますか?」

皆様、ブルーウッズ・ストラテジック・アソシエイツ
代表の塩谷です。

日々、経営層の皆様とのお話の中で感じたことを書いております。

さて、前回は

「DX経営戦略において、組織はそのままで良い? デジタル人材募集って言うけれど。。。明確にミッションを定義してますか?」

でした。

今回は、

「DX経営戦略を進めることで、あたなの現在の事業定義や価値が大きく変わる? それともDX戦略っぽい取り組み程度で済ましますか?」

です。

最初に申し上げておきますが、今回、長めです。。。が、是非、お付き合いくださいませ!

それでは、今回もはじめていきましょう!

先日、地方(東北ではございませんが。。。)の某小売企業経営層の方々と定例ミーティングを実施しました。今回で5回目となるDX戦略立案に関する議論をコーチ型コンサルティングでご支援致しております。

最終的に議論は「事業定義の変革」「提供価値の変化」となりました。議論と言うよりも、その経営者の方々の考えをお聞きしながら質問を投げかけて考えを整理していった2時間を過ごしました。

さて、その某社ですが実店舗を3県に跨いで展開し、自社ブランド商品、メーカー商品、生鮮食料品を提供しています。数十年も前から地域密着型で事業を営んでおり、一時期は店舗をどんどん増やしていき、地元では優良なお店でした。しかし、この展開地域である3県の高齢化が進み、少子化の加速で小学校の統廃合も行われ、人口が増える見込みもなく、町の商店街はシャッター通り化し、高齢者が買い物難民となっています。自分で車を運転して買い物に行くこと自体がしんどい方々が多くなってきている地域です。

その某小売企業様の経営層の方とミーティングするにあたり、ドライブ兼ねて3県の内の某県の複数店舗に実際に足を運んでみました。この幾つかの店舗は随分前に担当させて頂いた店舗です。当時の記憶と比較しても街は相当に寂れてしまった活気のない状況でした(私の出身地の八戸市と同じだなぁと感じ寂しくなります)。その当時ご訪問させて頂いていた店舗でお昼の弁当を買いながら店内を回っても、土曜日ではありましたが人もまばらです。店員さんに軽くお話を聞いても、来店客数は平日よりも多少多い程度とのことでした。平日は更に静かということですね。

次に、車を駐車場に置いたままた、店舗近隣を歩いてみたのですが、以前にあった町のお肉屋さん、八百屋さん、ラーメン屋さん、おもちゃ屋さん、和菓子屋さんなどは全てシャッターが閉まり店名も降ろされていました。店舗のまわりも更地にしてから大分時間が経っているのか雑草が生い茂り、またコインパーキングになっている場所もある状況でした。更に、路地を入って行くとひっそりとしていて、1時間散策してすれ違った住民は10人いないです。

12時過ぎにお弁当をその店舗で買ってから1時間の散策後、駐車場に戻ると13時過ぎ。駐車場に止まっている車の数は18台(自分含めず)となっていました。ということは、最低店内に18人いると思ったので、もう一度店内に入ると買い物客は8人しかいません。。。他の10人の方々はどこに行ったのでしょうか? ちなみに、店員らしき人を数えると5人。残りの5人の方はバックヤードにいらっしゃるのでしょう。あくまでも推察ですが、店員の方々の通勤車両も駐車場に停めているのかもしれません。

(怪しまれないように。。。)カゴを持ちながらどんなものをお客様は買い回られているのかカゴの中をチラチラ覗いていたのですが、8人の内6人のお客様のカゴにはお弁当が入っていました(私は一体何をやっているのか。。。と思いながら。。。)残りの4人の方は、野菜売り場から魚売り場へと移動した感じのものがカゴに入っていました。

その後、社内で弁当を食べてから、車で半径5キロ、10キロ、15キロと車を走らせてみました。すると気づいたことがあります。セブン・イレブン、ローソン、ファミリマートの駐車スペースには車が結構停まっています。明らかに社内で飲食したり、スマホ画面覗いたり、通話している人などしています。そして、なんと、シルバーカー(荷物を入れてフタを閉めると椅子にもなる手押し車)を押す、数名のおばあちゃんがコンビニに入って行かれます。私はセブンに入っておばあちゃんが何を買うのか見ていたのですが、袋入りのカット野菜(キャベツの千切りだったかもしれません)、生卵のパック、調味料、食パン、おにぎり(昼用か?)、それと地元の農家?が露店的に置いている野菜を買っていました。店員さんが声をかけて話していたので顔見知りの様子でした。あと、お孫さんを連れて、お菓子とコロッケを買っているおじいさんもいました。その後、更に5キロ程先のコンビニに入るとお年寄りだけでなく、お子さんを連れたお母さんが焼きそば(生めん)とソーセージ(袋入り)、牛乳など買い物をしていました。まぁ、あくまでも、私の個人調べでしかないのですが、訪問した某小売店(スーパー)から5キロ離れたコンビニや10キロ離れたコンビニでも、生活必需品や生鮮食料品を購入しているおばあさんや子育て世代のお母さんがいるのです。わざわざ、5キロ先、10キロ先のスーパーまでは行かないで済ます。言い方を変えれば、10キロ先のスーパーまで行かなくてもコンビニで済ませられる買い物需要もあるということです。(まぁ、お刺身とか、お肉の種類は無いですけどね)要は、スーパーvsスーパーによる同業他社との競合関係ではなく、いくら取り揃え商品点数がコンビニより圧倒的に多いです!と言っても、スーパーvsコンビニの競争関係は地方でも起きているということです。各コンビニ企業ではポイントサービスはしてますし、ネット通販の受け取りサービス、宅配、公共料金支払いなど、買い物以外の需要も取り込んでいます

※ここまでお読み頂きありがとうございます! 私が見たこの状況はすべてを表してはいませんが、もしあなたが経営者としたら、事業部長だとしたらDX戦略立案に関係ない話しだと思われますか? それとも、何か気づきを得られそうな気がしますか?

さて、経営層の方々とのミーティングの最初の方は、店員の数を極力減らして無人店舗化することや店内にAIカメラ設置して顧客の動きを分析して店内レイアウトに工夫を凝らすなど、技術視点からのお話が多かったのですが、私がある店舗を訪れて、いろいろと目で見える情報収集とそこから得た推察等をお伝えさせて頂くと、社長は「今までの事業定義、事業モデル、事業価値のままで良いのか?」という議論になりました

更に社長はこうも仰いました。

社長DX戦略だと考えて無人店舗だとか、AI活用を検討するなんて言ってねぇ。システム会社に色々話を聞いたり、東京のテクノロジーイベントに若手を行かせたりして考えさせているんだが、どんな技術を活用するかとか、海外の小売の事例などを見て、やはり自動化だよなとか、そういう方向の話になるんだよ。 私は、何か足りない臭いがしているんだよ。」

専務「たしかに、〇〇さん(社長)、そうなんだよねぇ。ほんと何かを考え忘れている気がしますよねぇ。」

暫く、考えられてから社長が「今までの事業定義を変えるといってもなぁ」と仰り少し沈黙されましたので、考える上でのキッカケ質問として幾つか投げかけてみました。

・「商品を販売すること以外で、地域住民の方々との関係構築をどの様な価値提供で行うのかを考えてみてはどうですか?」

・「顧客と言う言葉をよく言われますが、顧客という言葉ではなく、商品店舗で買ってくれる人、買ってくれていない人を含めて地域住民と捉えて、関係構築の仕方を商品販売以外で考えてみてはどうですか?」「例えば、店舗を全く持たないでスーパー事業を行い、地域住民との関係構築をどの様にすすめるか?という風に制約をかけて考えてみる」

・「自分達は、地域住民についてどれだけのことを知っていて、どの様なデータを個々の住民について蓄積しているのか?」

・「地域住民が来店する前、来店時、来店後、どの様なことを考えて、どの様な行動をしているのかご存じですか?」

・「貴社が地域の生活プラットフォーム提供者として存在価値を提供する時に、スーパー機能以外に地域住民の生活に対する価値をどの様に提供出来ますかね?」

最後に、「DX戦略立案においては技術変化だけ追っていてもダメで、顧客変化も追う必要があり、それらが変わるということは従来の事業定義、事業価値、顧客関係も変えないと十分ではないんです」と忖度せずに提言してました。専務からは「いたって当たり前のことだよなぁ。でも、何故か見ているポイントが近かったり、視野が狭いモノの見方しか出来ていなかったなぁ

社長からは「専務、DX戦略というけれど、結局、顧客戦略とか、提供する価値とか、我々も〇〇地方で人口減だから難しいとか言ってないで、地域住民という捉え方で地域の協力企業などを巻き込んでもいいかもしれないね。その方が、DX戦略の方向性検討が色々と出来るな

更に、社長は「うちの30代や40代の社員、50代にも言えるかもしれないが彼らの5年後、10年後にもこの地域で事業が出来る様に考えないといけないと改めて認識したよ。DX経営戦略を考える時には、今後どの様に価値提供していくのかについて、しっかり議論する方が先かもしれないな」と仰っていました。

この小売り企業様の場合、DXの取り組みについてAIやIoT、無人店舗など近視眼的に目に見える形のモノからアプローチされていました。私はそのアプローチからでもDX戦略の方向性を見出すことは出来るとは考えます。でも、技術先行型は視野狭窄的思考のリスクを高めるとも考えます。この企業のDX戦略の取り組みはこれからなのですが、地域の協力企業を巻き込むことで地域密着型コミュニティーを形成していくことが各店舗で可能だと考えます。将来的に、都市圏からこの地域にUターンしたり、移住する人を増やし、起業する人たちやリモートワークが浸透して場所を選ばない働き方が出来る人たちの転入を促すことも出来ると考えます。そうなると、この小売り企業は、必ずしもこの先継続して物理的に店舗を持つ必要があるのか?逆に店舗を配送・受取センター化して移動販売特化店舗にしてもいいのではないか?など、アイデアが出てくるはずです。そこで「いやいや、それは無理」と思うか「やってみる価値はあるな」とチャレンジするかは、あなた次第です!!

現在、皆さんの取り組まれているDX戦略は、DXっぽいという程度で止まっていることはありませんか?

デジタルの時代は、小さく開始して検証・市場投入・市場からのフィードバックの獲得・再検証を早く回していく(アジャイル経営)が大事たと以前のブログでも書きました。(過去のブログ)これを意識して、従来提供してきた事業価値を急ピッチで変革し続けることに、是非、一緒に取り組んで参りましょう!

さて次回は、

「なぜ、日本企業はコロナ禍でリモートワークに本気で取り組めないのか? IT環境提供だけでダメ! 大事なこと忘れてるかも?」

について書いてみたいと思います! 何を今更?と思われるかもしれませんが、いやいや、リモートワークを積極的に進められていない中小企業(実は大手企業も)の皆様が見落としているポイントがあります!

今回も、ここまでお読み頂きましてありがとうございました!

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DX=Digital Transformation

「DX経営戦略において、組織はそのままで良い? デジタル人材募集って言うけれど。。。明確にミッションを定義してますか?」

皆さん、こんにちは!
ブルーウッズ・ストラテジック・アソシエイツ代表の塩谷です。

さて、前回は

「DX経営戦略では、データの経営資産化が大事だけれど。。。そもそも社内にあるデータは宝の山ですか?」エピソード2

でした。

今回は、

「DX経営戦略において、組織はそのままで良い? デジタル人材募集って言うけれど。。。明確にミッションを定義してますか?」

です。

それでは、今回もはじめましょう!

ここまで、DX経営戦略立案におけるコーチ型コンサルティングのご相談を頂く経営層の皆様との会話から感じたこと、また、私自身がIT業界に約25年間身を置いてきて感じていたことなどを書いてきています。

しかし、お話をお伺いさせて頂く中で「なぜ、2021年になってもデジタルを経営に活用する検討についてはよく考えるのに、その取り組みに重要なある検討要素については本気で考えないんだろう」と思うことがあります。

それは、

「デジタル経営戦略を立案しても、それを絶えず改善しながら質を高め続けるには企業カルチャー、組織、人財、投資に対する意識変革も伴わないと失敗する」

という検討要素です。

先日、某製造メーカーでDXの管掌するA執行役員とのお話させて頂きました。。。そして、毎度のことですが違和感を感じました。。。

A氏「塩谷さん、DX経営への取り組みとして〇〇〇プロジェクトをスタートしましたよ。3年計画で変革していきます。」

 「Aさん、内容はしっかり短期視点、中長期視点で考えられていていいと思うのですが、実行はどこの部門がリードするのですか?」

A氏「デジタル・トランスフォーメーション部(仮称にしています。以下DX部)を立ち上げました。そこの部長には開発部長を据えて15名を社内から選抜しました。」

 「なるほどぉ(違和感ありながら。。。)ちなみに、DX部のメンバーはどの様な方々が集まっているのですか」

A氏基本的に開発部からとIT部門から若手を選抜してます。」(違和感。。。)

 「15名ということですが、いくつのプロジェクトをその人数で行われるのですか?」

A氏「先ほどの〇〇〇プロジェクトは、4つのサブプロジェクトで構成されています。」※サブプロジェクトは営業系、製造業務系、財務系、人事系

 「なるほど、ということは、当然、各分野の部門からチームメンバーに異動して来て貰っているんですよね?

A氏「いや、DX部が中心になり、各部門側に適宜入ってもらうかヒアリングして対応していく感じにしています。」※更に心配になってきた。。。

 「ちなみに、DX部のメンバーは各分野に精通しているのですか? システム側で事業部門側からの要件聞いて開発してきた人ばかりではないですよね?

A氏「あー、そういう意味では、その手のメンバーが多いですね」※なるほど、そういうことか。。。

私 「そうですか、差し出がましいのですが、多分、そのDXプロジェクトに描かれている短期視点の計画の中にある業務のシステム化には対応できるチームメンバーだと思いますが、中長期に描かれているDXによる経営変革には対応できないチーム構成だと思いますよ

A氏「それは聞き捨てならないですね!どの点が心配ですか?」

まぁ、私はコーチ型コンサルタントなので外部の人間ですから、忖度なく申し上げました!


そこで、私は以下の点をA執行役員に更にご質問致しました。

1,DX部門を新設するにあたり、部長ポジションに求めるミッションは明確化されているのか?
※「そうだなぁ、〇〇部長なんかいいんじゃないか。考え方が柔軟だし」というDXとは全く関係ない選抜ならアウトです。派閥による選抜なら尚更です。

2,部長ポジションに求める人財要件をミッションに紐づかせて定義してあるのか?
※「彼は、過去にITプロジェクトを担当したことがあるから。。。」というだけではDX部部長としてはシステム化は出来てもDX戦略を推進するのには弱いと考えます。

※私が拝見したこの企業様のDXプロジェクト計画書のレベルはシステム化なのですが、DX戦略立案を求める場合には厳しいと感じました。適任ではないということです。

3,DX部のチームメンバーには、必ず事業部側、人事、財務など、IT以外の非ITメンバーを構成メンバーに兼務ではない形で転籍してもらったか?
※多様な知見を持ったメンバーで構成されたDXチームでは確実に変革議論を非技術先行型で進められるので、私は重視しています。

※最終的にデジタル技術は採用するので、IT系メンバーに活躍頂きます。

4,DX部のチームメンバー構成には、(出来れば必ず)社外のメンバーを含めた方が社内文化に引っ張られない分、DX経営戦略オプションの検討が促進するが対応可能か?
※社内メンバーだけで構成されると、結局、社内文化や論理が優先され「いやー、それはうちでは無理だわ。だって、過去にさぁ。。〇〇役員がさぁ。」といって良いアイデアが闇に葬られます。。。

※ちなみに、経営幹部層の方々が進捗状況の報告を受ける時には、もしかしたら、闇に葬られた良いアイデアがあったのではないか?という意識をもって、メンバーに尋ねてみてください

5,DX部のチームメンバーを外部から採用(雇用形態に関わらず)する場合には、必ずDXプロジェクト毎に、ミッションの定義、必要な要件を定義して募集しているか?
※本当に多いのですが「弊社ではDXを推進するにあたりデジタル人材の採用を積極的に行って参ります!」と言って、どんなプロジェクトか、ミッションは何か、要件は何かが不明確な場合が多いです。

※デジタル人材の人達は、正直、報酬は二の次で「そのプロジェクトが興味をそそる、面白いDXプロジェクトかどうか」に反応する傾向にあります。報酬重視の方もいるにはいますが。。

6,DX部のチームメンバーには必ず財務部門メンバーを含めているか? なぜなら、DX経営戦略において「小さな規模で何度も検証・社外からのフィードバック獲得・修正・再検証の継続投資」が必要なため。
「アジャイル」というプロジェクトの進め方が、DX経営戦略では必須と思ってください。商品やサービス、ビジネスモデルを実際に社外に対して公開し(プロジェクトによっては社内に対して)継続的に検証と改善を繰り返していきます。投資判断が必要となることから、必ず財務部門のメンバーを含めておく必要があります。

7,DX部のチームメンバー構成には、(例え地方の企業であっても)「外国人を含める」方が社内発想の殻を壊して新たな視野を持ちやすいが、検討は可能か?
※都市圏の企業では外国人がチームメンバーに入っているケースが多く見られますが、地方企業でも同様にチームメンバーに含めるべきだと考えます。

異文化で育った人達が集まることで、必ず新たな発見があります。私は米国企業やヨーロッパ企業もいましたが「へー、そう考えるのかぁ。」という気づきが多くありました。怖がらないで!

※DXは残念ながら欧米先行で日本に入ってきました(IT全般そうですが)、なので国内に閉じた議論による視野狭窄は避けてください

外国人を採用、または契約する場合には完全リモート採用も検討してください。今や欲しい人材がいつも近くにいるわけではなく、また物理的に自社オフィスに囲い込む考えは時代遅れです。

ざっと、7つ程記載しました。このお客様には実際にコーチ型コンサルティングでご支援することになるのですが、取り組む場合には相当な意識改革が必要になる状況です。

特に最後の項目は多くの日本企業(東北地方は尚更)にはハードルが高いですが、私は重要な要素だと考えています。欲しい人材がいつも国内市場にいるとは限りませんから、海外から調達するの選択肢も当たり前の時代です。これからの時代、完全リモート採用でも良いわけです。日本に来てもらわなくても良い。また、都市圏から東北地方に来てもらわなくてもいい。逆に、東北地方に住みながら都市圏の企業と契約して働いていもいいのです。デジタル時代の経営変革とは、この様な柔軟性も求められます。当然、物理的に現場に赴く仕事もあるのも事実です。でも、その様な場合でも現場に赴く以外の部門については考えるべきです。

私は過去にロンドン、カリフォルニア、韓国のメンバーと日本のメンバーの混成チームで日本企業の国内ビジネスを獲得しましたが、時差を考慮した会議調整はあるもののとてもよい対応が出来ました。海外メンバーとは一度も対面することなかったですが、お互いに密に仕事ができましたよ(実はコツがあるのですが、それは別の機会に書きますね)。昨年9月から12月の3ヶ月間は出身地の青森県八戸市で完全リモートでお客様企業との社長ミーティングや案件対応を行えました。特に、東北地方の中小企業の皆さん、何度も申し上げますが。。。DX経営戦略は決して都市圏の大手企業だけが取り組むべき経営テーマではないということですよ!

ということで、今回の投稿は、せっかくのDX経営戦略も人が実行しなければ形にならないということで、組織、人財、企業カルチャーについて書いてみました。今回書いた内容のみでは足りないのですが、でも、皆さんがDX経営戦略を考えるにあたってのヒントになれば幸いです!

さて、次回ですが、

「DX経営戦略を進めることで、あたなの現在の事業定義や価値が大きく変わる? それともDX戦略っぽい取り組みで程度すましますか?」

です。

今回も、ここまでお読み頂きまして有難うございました!



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DX=Digital Transformation

「DX経営戦略では、データの経営資産化が大事だけれど。。。そもそも社内にあるデータは宝の山ですか?」エピソード2

皆様、ブルーウッズ・ストラテジック・アソシエイツ
代表の塩谷です。

前回は、

「DX経営戦略では、データの経営資産化が大事だけれど。。。そもそも社内にあるデータは宝の山ですか?」エピソード1

でした。

今回は、

「DX経営戦略では、データの経営資産化が大事だけれど。。。そもそも社内にあるデータは宝の山ですか?」エピソード2

を書いてみたいと思います。前回のエピソード1をお読みになられていない方は、是非、そちらをお読み頂くと本エピソードに至った背景がお分かり頂けます。

では、はじめていきましょう!

前回のエピソード1でお話しした通り、某社で取り組まれているDX経営への取り組み要素の一つである「データ活用」について、社長と専務よりお話をお伺いしたのですが、私はどうしてもその取り組みが「単なるデータ統合」の話であり、「データを資産化し活用する」ことを目的としていないことに違和感を感じ、「そもそも現場が求める必要なデータが格納されているのですか?」

と忖度なく聞いてしまいました。そして、今回の、各事業部の部長以下(現場よりの方)に対して社長、専務も入り、現場と意見交換するミーテイングを持つことになりました。

実は、前回のブログ同様に会話形式で記載しようと思ったのですが、思いのほかDX経営テーマ以外に根深い事業課題、組織課題が出てきたので、あくまでも「データ」に関する部分だけを抜き出して、多少シンプル化して書いております。

<各事業部の部長以下の集まる「データ」に関する会議にて >
※全員、リモートでの参加となりました。

最初に専務から、今回のミーティングの目的などをご説明頂きました。特に現在の統合データ基盤プロジェクトは、投資を上回る回収を意識して各事業部の皆さんに大いにデータを活用して事業収益を伸ばして欲しいと話されました。その為に、必要なデータとしてどの様なデータがあれば事業部側の役に立つのかなど意見が欲しいと説明がありました。会議時間は90分です。早速、意見を出して欲しいと専務は投げかけたのですが、当然というか。。。口火を切る人が出ず沈黙が5秒程度ありました。

「こうなるよなぁ」と私は思ったので、私の方から質問を投げてみることにしました。

本来なら、順序的には最初に参加者に対して、自社で推進されようとしているDX経営について参加者の理解を確認しようかと思ったのですが、DXは実態のない言葉でしかないので、それは後回しにして以下の質問を投げてみました。本ミーティングには8事業部の部長、課長やリーダーの方が参加され総勢12人参加されていました。

「各事業部の方々にお聞きします。それでは、〇〇事業のA部長。ご自身の事業ってどの様な課題を解決するための事業なのですか?」

A部長は自分達の事業についてご説明されました。その他の事業部の部長や課長、リーダーの方々にも質問に答えて頂きました。
※ちょっと発言内容には企業特定されやすい内容もあるので記載出来ないのですが、ここでは、私の質問の仕方を意識して貰いたくお願い致します!

「〇〇事業のB課長にお聞きしますが、その事業のターゲット課題を解決できる競合他社にはどの様な企業がいますか?同業他社ですか?海外から参入される脅威とかありますか?」

B課長「最近では競合参入が増えてきて、シェアが減ってきています。特に異業種の参入が増えた印象です。」

「客観的にみてB課長の事業は競合他社と比べて圧倒的に差別化されていますか?

B課長「うちが提供する商品と付帯サービスだけ捉えれば差別化は出来ていると思うのですが、最終顧客から見たトータル価値で判断されると、特徴が無くなりますね」

専務「B課長、そうなの? それって、いつからそう感じてたの?」

B課長「そうですね、昨年の5月から販売代理店とのお話やネットの評価など読んでいると、うちの商品より他社の商品についてのコメントが増えて来ているなと感じます」

「各事業部でアンケートとか実施されていると聞きましたが、そういう情報を参考にすれば早く兆候にきづけたということはありませんか?

B課長「そうなんですが、販売代理店がレポートにまとめて報告してくれるものの、詳細が分かりにくいんです。ただアンケート用紙は紙でまとめて送られては来ています。

アンケート用紙はデータ化されているのですか?

B課長紙のままです。保管はしているんですが。。。データ化の時間が無くそのままになっています。」

「それってよくあることなんですよ。しかも販売代理店がレポートにまとめているということは、まとめている方のフィルターがかかっている場合が多いので、お客様の生の声が伝わってこないんですよね。

C部長「B課長、そのアンケートって定期的に実施しているの?」

B課長四半期に一回から二回ですね」※うーん、それじゃ役に立たないかもなぁ。。。

「TwitterやFacebookが世の中に出始めてから、今までの企業と顧客のコミュニケーションの形が変わったと考えます。自社の商品、サービスの評価や意見について顧客は企業に対して直接述べるよりも、世の中に直接自分の意見をSNSなどを通じて発信するのが当たり前になり、顧客は企業の発言よりも、他の顧客体験を参考にされるようになってきています。皆さんも、プライベートではSNS使って体験を発信したり、何か商品・サービスを購入する時に、一つ一つメーカーのサイトを確認したりはあまりしないのではないでしょうか? D部長どうですか?」

D部長「そうですね、アマゾンを良く活用しますが、何か買う時はアマゾンのレビューを参考にしていますね。あとは、検索して誰かのコメントを読んで参考にしています。」

「ですよね。Twitter, Facebook, インスタグラム、アマゾンなどなど、個々に情報発信する世の中になって最低でも10年以上が経ち、10年前に50歳だった人は60歳になりスマホを普通に使い、ネットで買い物や決済、自ら情報発信するなど、少なくてもそれらのことが出来る様になっていますよね。LINEで孫とやり取りしている人もいますしね。今の20代、30代、40代はデジタルが当たり前の人達とも言えますよね。もはや、明らかにデジタルが彼らの社会性を変えています。この中に、20代の方いますか?」

D部長「E君とF君は新卒入社三年目だよなぁ。」

「Eさん、Fさん、日頃SNSはどの程度使っていますか?」

E君「私は、毎日必ずSNSは使っています。実は、自宅に電話が無くて携帯電話だけなんです。しかも通話はLINEですが、ほとんどチャットです」

F君「私も、Eさんと同じですね。あとは、情報はユーチューブの動画コンテンツから得ていることもありますね。【〇〇を買って使ってみた】のようなのを参考しています。」

社長「あー、たしかに、うちも息子や孫とはLINEやFacebookで近況知ったりしてるよ。今はコロナで会えないからネットで誕生日プレゼントを孫に送ったりしているが、確かにレビューを参考にする。うちの妻はコメントをよく書いているよw。」

専務「私は、この前釣り具の評価を書いたなぁw」

この後、参加者同士て暫く、会話が盛り上がりました。議論をそろそろ収束させるために、以下の質問を私は投げました。

「いろいろと、プライベートではSNSを活用して情報を調べたり発信したりして、意思決定していますよね? それって投資対効果を事前に出来る限り知っておきたいということではないでしょうか?」

社長「確かに、言われてみればそうだ」

「では、この会議の目的に戻りますが、現在、DX経営戦略の一貫として貴社では【データ統合プロジェクト】が進んでいますが、各事業部の皆さんにとって、自分達が事業活動する上で必要な情報って社内にどれだけあると思いますか?または、データ化されるべき情報ってどれだけありますか?数値情報以外のデータである非構造化データがどれだけ社内にありますか?

B課長「多分、他の事業部で必要かどうかは分からないですが、少なくとも社内に必要な情報はないです。社外の方に多くの情報があるので、それを活用したいですね。実際活用していますよ。」

他の事業部から参加されている方々からも、それぞれに必要な情報について発言が上がってきました。リモート画面越しでしか分かりませんでしたが、専務は何やら手帳にメモっているご様子でした。

ミーテイングの残りの時間も少なくなってきたので、次に向けた質問を投げてみました。

「各事業部の皆さんから、自分達の事業活動において必要な情報が何か挙げて頂きましたが、本当にその情報が事業活動上必要ですか?どのようなことを知るために必要で、どの様に活用されたいですか?

専務「そこが肝心だよなぁ。現時点では統合データ基盤は、社内の過去から蓄積されてきたデータが多い状況だし、皆が必要と言うような情報は無いに等しいかもしれない。社外データを増やす必要がある気がする。それに社内データの多くは業務結果の数値データが多いからなぁ。それらは多少の示唆は得られるかもしれないが、特定の目的にしか使えないかもしれない。ツイッターとかさ、画像だとかさ、そういうデータが顧客の意見を知る手掛かりとしては重要になってきている気がするな」

「そうですね。ただ日本でツイートされるコメントとかは絵文字が多すぎて分析対象になりにくいと言われています。それから、日本語“ヤバイ!”という言葉がいい意味でも、悪い意味でも使われていて文脈で感情分析がしにくいとも言われています。なので、人による吟味は必要ですが、活用するべき情報源ですね」

いろいろと議論し、時間が迫ってきたので社長から締めてもらいます。

社長「90分じゃ時間が足りなかったな。ただ、今回のミーティングで我が社のDX経営戦略推進において「データ」というのはデータ活用シナリオをしっかりと考えて取り組まないと経営資産にはならないという認識を改めて持てたのは気づきだった。データをただ統合した環境を用意すればいいってことじゃないな

専務「そうですね、各事業部毎にデータ活用シナリオを定義することが優先順位としては高いですね。本日は急遽集まってもらって議論しましたけど、改めて各事業部毎に競争力ある事業企画を考えるために必要なデータが何かを考えませんか? 特に社外にあるデータの入手方法を検討しないといけない。そもそも事業企画に必要な情報活用シナリオを検討しても、そもそも入手手段がないことには話にならないからなぁ。」

「〇〇さん(専務)それでは、各事業部毎にミーティングを設定して頂き、各部長より検討メンバー選出して貰うようにお願いします。」

ということで、今回書きました内容以外にも、実はこの企業様にとっては根深い「DX経営戦略推進の組織、デジタル人材、事業変革、報酬制度、事業定義等」について課題が浮き彫りになりました

今後ですが、この「データ」ついて議論をする前にやることがあります、それは各事業部で自分達の事業の競争優位を客観的に評価することです。

ミーティング後に、私が社長と専務に申し上げたこととして、以下の検討ポイントをお伝えしました。

「既存事業にデジタルを活用することで、新たな価値を加えることが出来るのか?」※競争優位なら無理に急いでデジタル活用する必要はありません。

「その新たな価値は、しっかりと差別化されるのか?」※商品・サービスだけでなく、ビジネスモデルなども含む。

「競合他社に模倣される可能性が高い価値なのか?」※その差別化を支える社内外の資源の構成。例えば、デジタル人材やデータ資産、資金力(金融機関や投資家などからの外部資本含め)、国内外のパートナーシップなどは模倣されにくいのか?

そして、DX経営戦略において変革エンジンとなる組織・人財・カルチャーが弱いと成功しませんよと、忖度なくお伝えしました。これは多くの企業でDX経営を検討する際に手薄になるポイントだと私は過去のご支援経験から感じます

そこで次回は、

「DX経営戦略において、組織はそのままで良い? デジタル人材募集って言うけれど。。。明確にミッションを定義してますか?」

です。

今回も、最後までお読み頂きまして有難うございました!


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DX=Digital Transformation

「DX経営戦略では、データの経営資産化が大事だけれど。。。そもそも社内にあるデータは宝の山ですか?」エピソード1

皆様、こんにちは! ブルーウッズSA 代表の塩谷です。

前回は、

「DX経営戦略を自社だけの取り組みで完結すると競争に負けるかも?」

でした。

今回は、

「DX経営戦略では、データの経営資産化が大事だけれど。。。そもそも社内にあるデータは宝の山ですか?」パート1

です。

では、はじめましょう!

今回は、お客様との会話の臨場感を伝えたいので、会話形式しています。もちろん、シンプル化させてもらっています。

では、どうぞ!

先週、過去に担当させて頂き大変お世話になった大手企業(東京)の社長と専務とDXについてお話をする機会を頂きました。

会話の中でデータに関する話になったのですが、示唆に富んでいたのでブログに書いても良いか尋ねたところ「いいよ!」と笑って仰って下さったので、その会話の一部を書かせて頂きますね。

※〇〇社長、専務、後から怒らないですよねぇ・・・。事前に文面を確認頂いておりますが。。。

社長「最近、わが社ではDX経営の取り組みを本格的に進めるために、まずデータを積極的に事業活動に活用することにしたんだよ」※私は、なんか嫌な予感がしてきました。。。

専務「ひとまず、社内にある各部門のデータを集約することにしてね、某社(米国)のクラウド基盤を活用することにしてプロジェクトを開始したんです。」

 「〇〇専務、ところで全社のデータを1か所に集めて全社データ基盤(データレイクともいいます)を作られるのは良いのですが、どのような目的でデータを利用されるのですか?

専務「それは、各事業部門がマンネリな事業しか企画出来ないので、データを活用して事業企画の質を上げたいんですよね」

 「なるほど、貴社には複数の事業部がありますが、各事業部でどんなデータを求めているのかはどうやって定義したのですか?

専務ひとまず、社内にあるデータを集約するのが先でね、おいおい各事業部に考えて出してもらおうと思っているよ
※あ、やっぱり。。。と思ってしまった。。。

社長「塩谷さん、何か言いたそうな顔してますね。行ってくださいよ」

 「いや。。。言いにくいです。。。苦笑」

社長「何言ってんのぉ、昔からバンバン言ってくるじゃない! 言っていいですよぉ。なんですかね」

専務「言って、言って!」

 「では。。。その社内データを一つに統合するプロジェクトを一旦、ストップして各事業部が求めているデータが何か? その利用目的をひとまず整理することを先にされたらどうですか?

専務「。。。」

 「あ、もちろん全社で活用できるデータ基盤を作ることは賛成ですが、それはあまり優先順位高くなくて、売上を生み出す事業部側が欲しいデータを集める方が先かなと。。。」
※やってしまったと思いました。。。

社長「専務、そもそも、集約しようとしているデータってどんなデータなの?」

専務「ひとまず、各事業部門、生産管理部、人事部、財務部の社内データからですね」

 「その各部門のデータを集めて、各事業部門は新しい発見がありそうですか? おー、宝の山だ!ってなりますか?」

社長「確かに、それらのデータって活動結果だからなぁ、何か見えるかもしれないが、事業部門側が欲しいデータかって言われると欲しいデータじゃないかもなぁ」

専務「私もそう思うなぁ。営業部門のデータって言ってもね、営業支援ツール(某社)の中に入っているデータをひとまずマルッと取り込むんだけど、それが新たな発見とか宝か?とか言われると。。。確かに

社長「〇〇さん(専務)さぁ、そのプロジェクトスケジュールと予算ってどうなってるの?」

専務「来年3月までに〇.〇億円ですね。期間は3ヵ月で区切って、9ヵ月ですね」

社長「それさぁ、ちょっと止めて、各事業部へのヒアリングしないか? 事業収益優先だから、俺も入るから事業部長というか、そうだなぁ、課長とか部長クラス集めた会議開けない?」

専務「リモートで直ぐにやれますから来週やりましょうか。事業部長も参加にしますか?」

社長「いや、部長以下でいいよ。現場に近い方がいい。ちょっと、調整してくれる?」

専務「分かりました」

専務「塩谷さんのせいで、プロジェクト一旦停止ですよ! その代わり、その会議に参加して質問をどんどん投げてくださいね。」※笑いながら言ってくれました!

という会話がありました。この会話から皆さんはどの様に感じましたか? 特段DX戦略だからとか関係なく「データ統合」の話であって「データを経営資産として活用する」という話ではないですよね?

ポイントは「データ活用の目的を定義しないで集めたデータは使われない(宝が無い)可能性が高い」ということですね。

この「データ」ですが、DX経営戦略を検討する要素のひとつとして非常に重要です。要と言っても良いくらいの要素だと私は考えています。でも、日本の経営層の多くは未だに「データ」は経営資源の一つであると認識されていない気がしています

私の感覚ですが東北地方の経営者(地方全般に言えると思いますが)の方が「塩谷さん、データ活用すると売上が上がるのか?」と直球で聞いてきます。中小企業にとっては投資対効果を非常に気にします。なぜなら、大手企業と違い投資金額や時間に余裕はないですから。加えて、地銀の方々のDX経営についての理解も、融資の観点からもっと高めて頂く必要があると感じています

ということで、早速、この大手企業様ではリモート会議で関係者を招集し私も参加することとなりましたが、今週その会議に参加して来ますので、本日はここまでとなります。(講談師みたいな終わり方ですが。。。)

ちなみに、次回も内容をシンプル化して、お客様に確認の上、ブログに載せてもよいことは承諾頂いているので、確実にブログにアップ致します!

次回は、

「DX経営戦略では、データの経営資産化が大事だけれど。。。そもそも社内にあるデータは宝の山ですか?」エピソード2

です。

それでは、本日も、ここまでお読みくださり有難うございました!



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DX=Digital Transformation

DX経営戦略を自社だけの取り組みで完結すると競争に負けるかも?

皆さん ブルーウッズ・ストラテジック・アソシエイツ代表の
塩谷です!

いつもお読み頂き有難うございます! 日々お話をさせて頂く経営層の皆様との会話から感じたことを書いております。

前回は、

「DXに取り組むにあたり、最初に徹底的に考えるべきテーマは何か?」

でしたが、如何でしたでしょうか?

さて、今回は、

「DX経営戦略を自社だけの取り組みで完結すると競争に負けるかも?」

ということについて書いてみたいと思います。

それでは、はじめましょう!

DXはデジタル時代の経営戦略であると、以前のブログ「なぜDXを技術視点から検討し始めるのか?」で少しふれました。

しかし、日本では、業務プロセス改善をデジタルで行う社内DXの取り組みから着手する企業がまだまだ多いと感じています。

これについても以前のブログ「DXに取り組むにあたり、最初に徹底的に考えるべきテーマは何がよい?」でお話した通りです。

あ、業務プロセスの見直しから始める社内DXを否定してるわけではありません!! ※私をご存じの方は誤解しないでください!汗 でも、忖度なく言うのが私らしいところですが。。。

私は社内DXを取り組まれているお客様に必ず投げかける主な質問があります。

  • 問1:その社内DXにより喜ぶ顧客は誰ですか?(顧客=実際に商品を購入する人、社員、取引先、競合他社)※競合他社を含めることに対して、え?ってよく言われます。
  • 問2:その社内DXにより既存のサプライチェーン全体や業務プロセス全体などを新たなに組み直しましたか? それとも、あるポイントだけをデジタル活用で変革するのですか?
  • 問3:その社内DXにより競合他社に対してどの様な競争力(強み・差別化、独自性)が増しますか?
  • 問4:その社内DXは社外の関係者(顧客=実際に商品を購入する人、社員、取引先、競合他社)も含めた取組となっていますか?
  • 問5:その社内DXは、自社、顧客(=実際に商品を購入する人、社員、取引先、競合他社)が相互に作用しあう事業活動基盤(プラットフォーム)となっていますか?

この質問の目的は「デジタル時代の経営戦略においては、同業他社は競争相手でもありパートナーにもなる時代であるという認識が必要」であることを考えて貰うために質問しています。

最初は業務プロセス改善の社内DXだと思っていても、その業務プロセスに外部関係各社や顧客関係にも影響が出てくるのであれば、社内だけの改革検討だけでは不十分と言うことになります。

別の見方をすれば、関係各社(取引先や顧客など)が行っている業務プロセスの一部分でも社内DXで取り込んであげれば、彼らの生産性が高まり価値を感じてロイヤリティが高ります。

そうなれば、例えば、取引の諸条件についても良い条件で交渉が出来る効果も期待できます。競争力を高めるためには、自社に閉じた視野だけの社内DXでは、気が付いたら競争相手に、しかも同業他社以外の業界の新規参入者にも負けていたということになりかねません

また、上の問3は、異業種からの参入がデジタル時代には容易になり、必ずしも単一業界の中だけで競争が行われているわけではない時代が加速していることを認識してもらいたいのです!

例えば、海外ではUber(ウーバー)が、自分達で物理的に車両を持たないでタクシー業界に参入してきましたし、他には従来の金融業界に存在しなかった異業種から新規企業が電子マネー、電子決済サービス業界にどんどん参入してきています。

問5についてはプラットフォーム型ビジネスについての質問です。※ここ重要です!テストに出します!w

先日、某TV番組でサブスクリプション型ビジネスの特集がされていました。その中で「絵画を月額定額で貸し出すサービス」がありました。

この絵画を貸し出す会社を真ん中にして両サイドに二つの顧客がいます。それは、「自宅に絵を飾りたい顧客」と「絵を描いて発表したい画家」です。この企業は、両者を結びつけるプラットフォームで収益を上げています。当然決済もありますから、このプラットフォームには決済サービス会社が連携しますし、配送がありますから信頼できる配送会社のサービスとも連携します。すると、このプラットフォームから見れば4つの顧客が存在することになります。「絵を借りたい人」「絵を描いて発表したい画家」「決済サービス企業」「配送サービス企業」です。決済企業と配送サービス企業からすれば仕事を持ってきてくれるプラットフォームになりますね。

DX経営だからと言って、必ずしもデジタルコンテンツ商品である必要はなく、物理的商品であってもプラットフォーム型ビジネスモデルが出来るというひとつの例ですね。

私は東北地方生まれ(青森県八戸市)ですから、年々寂れていく町や高齢化が進む地域の人達の生活や地方企業を元気にしたい思いがあり開業しました。

その中でも、特に地方の小売店であるスーパーなどは「店舗の存在価値」を新たに定義する時代に入っていると考えます。商品ブランドと顧客をつなげる介在者であるスーパーですが、商圏に住んでいる人口は変わらないのに複数のスーパーがオープンしてパイを取り合っている状況です。特に地方では高齢化が進み、人口減少や流出も起きていて、大きな客単価の伸びが食料品セグメントで見込みにくいとなると、新たな収益体質に転換し始めないとならないのではないか?と、生活者の立場、業界の外にいる者だからこその視点から感じます。

ちなみに、米国の小売業界では顧客の健康支援領域に如何に関わっていくかを積極的に模索しており、まさにデジタルを活用してヘルスケアプラットフォームを作り上げアジャイル型で展開しています。

この「ヘルスケアプラットフォーム」にスーパーが入り込むにはDX戦略が物凄く重要になります。東北地方の地場スーパーの経営者の皆さん!事業規模に関わらず、DX活用でデジタル経営変革は可能です!! 地銀の皆さん!銀行のご支援も必要ですよ!

※これについては思い入れが強くアイディアもありますが、長くなるので書くのはやめておきます!笑

少し書くと。。。笑

実は先日、青森県のあるスーパーの経営者様とお会いする機会がいありました。そこで、こんなご質問をしました「〇〇社長、地域密着のスーパーを目指すと仰られますが、商品以外で商圏内の地域住民と、どの様に密着されますか?」こう質問してみました。もし、このブログをお読みの小売業経営者の方がいらっしゃいましたら、ご自身で考えてみてください。

あ、もちろん、東北地方以外の地方スーパー経営者の皆様も可能です!! 小さいく初めて検証・検討・改善をどんどん繰り返しながら、短期間で伸ばしていく「アジャイル」というやり方は特に中小企業に向いています! DX経営戦略ではスピードが大事です。そもそもDX経営戦略において現場への権限移譲と判断できるDXを理解した人材がセットであることが必須条件です。日本企業では未だに多くが合議制です。。。※これについては、また別にお話しますね。先日、ある経験がありましたので。。。!

大手企業ばかりではなく、町の小さな魚屋さん、八百屋さん、お肉屋さん、薬局などなど、昨今ではデジタルを活用することで事業規模に関わらずスピード感もって進められます!もちろん、DX経営戦略はある程度考える必要があります。でも、最初から完璧である必要はありません。多少覚えてもらう知識はありますが、一番大事なのは「顧客の課題やニーズを知る視点」です!

地方経営者の皆さんは長年のご経験から顧客を理解し地場で事業経営されてきたことに敬意を表しますが、更にそれをもう一段深く理解することで新たな顧客の課題・ニーズに気づくことが出来ます! この視点の持ち方は後天的に学べます!

私は、都市圏の大手企業で働きながら、毎年青森県に帰省する度に寂れていく町、何十年も続いたお店や企業が廃業することを知る度にこんなことを思っていました。。。

「都市圏の大手企業経営者様の周りには、多くのコンサルティング会社やシステム会社など、ご支援してくれる企業が周りに沢山いらっしゃいますが、地方ではそうはいかないよなぁ」

そんな思いからコーチ型コンサルティングを開業したわけなので、地方経営者の皆さん! 自ら考えて頭と手を動かさなくてはなりませんが、是非、頑張りましょう!! (すみません。。。ちょっと、話がズレました。。。)

ということで、デジタル時代の経営変革において競争戦略を考えるにあたり「誰かと誰かをつなげる自社の介在価値(プラットフォーム)について、従来のままで良いのか?」と考えることを今やらないと、コロナ禍が落ち着いた時に、新たなスタートダッシュが出来ないのではないかなぁと感じています。特に地方企業の経営者の皆様こそ、DXを活用した経営変革が適しています!

今回も、ここまでお読みください有難うございました!

さて、次回ですが。。。

「DX経営戦略でデータを経営資産として活用するぞ!と言うけれど。。。そもそも社内にあるデータは宝の山ですか?」

です。

では、次回も宜しくお願い致します!

塩谷

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DX=Digital Transformation

DXに取り組むにあたり、最初に徹底的に考えるべきテーマは何がよい?

さて、前回は、

「デジタル・トランスフォーメーション(DX)って誰が主導するべきなの?

でした。

今回は、

「DXに取り組むにあたり、最初に徹底的に考えるべきテーマは何がよい?」

について、書いてみたいと思います。

先日、某企業経営者様から「塩谷さん、DXに取り組むには何か検討を進めればいいのでしょう?」と質問を受けました。

私は迷わずに、「それは顧客」ですと申し上げました。

何をおいても「先に顧客について考える」ことをお薦めしています! そうお答え致しました。

なんか、当たり前に聞こえますか?
他のご意見もあるでしょうけれど。私はそう考えます。

釈迦に説法ですが「企業は、顧客課題を解決するための価値を提供して、対価を頂いている」のですから、どの様な価値を提供するかを考えるために顧客について先に考えますよね?

デジタル・トランスフォーメーション(DX)だから、先に技術やデータを中心に考えて、「顧客」について考えるのは後回しで考えてよいとはならないと私は考えます。

皆さんはどうでしょうか?

先日、東北地方の経営者の方々とお話をする機会がありました。その際に「貴社にとって顧客とはどなたですか?」と質問してみました。もちろん、返答は「自社製品・サービスを買ってくれる方ですよ」と回答されました。翌日にも、他の経営幹部層に同じ問いをしてみると「〇〇系業界の法人企業ですね」とか、「青森県の高齢者の方々で富裕層ですね」と返答されていました。多くの返答が「社外に顧客の対象がいるという視点」で考えられていいるのだなと感じました。うーん、違和感あるなぁ。。。

これは地方企業だからとか関係なく、都市圏の経営幹部の方からも同様の回答をよく耳にします。

しかし、ある日本企業の人事部と情報システム部の執行役員の方々は「私たちの部門の場合、顧客は自社と関連会社を含む社員になりますね」と返答されました。

僭越ながら、私はこの視点を持たれていることにホッとしました! 「当たり前だのクラッカーだ!」と仰る方もいるとは思いますが、いえいえ、「社員を顧客と捉える」というのは、なかなか難しいんですよ!

よって、「社外向けのDX」から取り組むのか、「社内向けのDX」から取り組むのか、「社内、社外DX相互連携」で取り組むのか、それは「どの顧客の課題に応えるのか」を先に決めてから考える必要があります。

顧客課題から考えることは当たり前のことではあるのですが、なぜか、デジタルという言葉に引っ張られて技術先行型でDXに取り組まれている企業が多く見受けられます

例えば、有名な「Airbnb(エアービーアンドビー)」の創業者は、自分達の住む地域で行われる大きなイベントがあることを知り、自分達の空いている部屋のベッドとちょっとした朝食(ブレックファースト)を提供したら、ホテルを取れなかった人たちがお金を払って宿泊してくれた経験から「なるほど、とにかく宿を確保したいという人達の課題に、自分の空いている部屋を貸すことで解決してあげることが喜ばれるのか!」とビジネスを立ち上げました。結果としてデジタル技術を活用し、自然に蓄積されるデータ資産を活用して、今では一部地域を除いて世界中でAirbnbは利用されています。でも、最初に「顧客課題」から始まっていますよね。

この「社内DXの取り組み」「社外DXの取り組み」ですが、一見すると別個の取り組みに見えますが、企業活動の全ては収益を生み出すために行われるので、最終的に「社内DX」と「社外DX」は互いに直接的に、または間接的に連携することになります。

ちなみに、「社内DX系」は業務プロセスの改革がテーマとなることが多いので、最初のDXとしては取り組みやすいですよね。

「社員(=顧客)の課題をDXで解決する(システム化)」ということです。

DXへの取り組みを検討するにあたっては、まずは「顧客」について考えることは最優先ですが、どんなことから考えたらよいのかとも聞かれます。

私がコーチ型コンサルティングでご支援する場合には、ワイワイガヤガヤと皆さんで、以下のような内容を時間をかけて深堀していきます。

  • 「顧客課題」として挙がった課題の中からどの課題に優先的に応えるのか検討する。
  • その課題解決に向けたDXの議論が、社内DXなのか、社外DXなのか、または相互連携する話しなのかを検討する。
  • その顧客課題に応えるにはどんな価値提供のシナリオで応えるのかを検討する。
  • その顧客課題に応えるために必要な競争戦略、モノ、人財(組織体制)、カネ、情報、変えるべき社内文化や意識は何か検討する。
  • その顧客課題に応えるために提供する価値には、強み・差別化はあるのか、自分達だから出来る“らしさ”があるのかを検討する。

    上記は特段に難しい内容ではありませんが、検討の深さが浅いと結果にも影響するので、一つ一つを深く議論する(最初は発散しても良いです!)様にしてみてください!

    さて、次回は、

 「DX経営戦略を自社だけの取り組みで完結すると競争に負けるかも?」

について、お客様とのお話しから感じたことを書いてみたいと思います!

本日も、ここまでお読みくださり有難うございました!

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DX=Digital Transformation

■デジタル・トランスフォーメーション(DX)って誰が主導すべきなの?

さて、前回は、

■デジタル・トランスフォーメーション(DX)は言葉であり実態が無いので、有形なモノから入るの方が分かりやすい?

でした。

今回は、

■デジタル・トランスフォーメーション(DX)って誰が主導するべきなの?

です、それでは、始めましょう!

さて、DXはだれが主導するべきなのでしょうか?

それは「経営者」の皆様です!

なぜなら、DXには当然デジタル技術は絡みますが、DXとは「デジタル時代の経営改革」なので「経営者」が自ら主導するテーマだからです。

「いやー、私はデジタルとか疎いので、そういうのは若手メンバーに任せて、どんどん取り組んでもらおうと思っているんですよ」

「うちも無人店舗に取り組まないといけないと事業部から聞いている、そこはIT部門に指示して、いろんな技術を調査しているところだよ」

「弊社のDXの取り組みを関連部署に考えさえているのだけれど、なかなかアイディアが出てこないんだよなぁ」

という声を耳にすることがありませんか?

差し出がましいのですが。。。

出てきたDX計画への投資判断は、経営者としてどの様に判断されるのですか?

更に、「デジタル・トランスフォーメーション」を「技術」の話だと捉えているのであれば、失敗のリスクが高まります。

私は開業前までは、国内、海外のIT企業に身を置いていましたが、DXについてご相談を受けたり、実際にDXの検討を開始すると「AIの実用度はどうですか?」「いやー、最近のドローンの進化は凄いね!」など、技術視点からアプローチしようとされる方々が多かったです。もちろん、そうではないお客様もいらっしゃいます。

では、どうしてDXを経営者が主導すべきなのかと言うと「誰の、どんな課題・ニーズに応え、どんな価値を創造し、どの様に提供し、どの様に価値を感じてもらい、対価を支払ってもらうのか」は経営事項だからです。要は、収益に絡みます。これは「経営者」が考えることです。もちろん、技術的にどう実現するかについてはIT部門やDX担当部門と検討することになります。

あくまでも、DXとは「経営改革なのです!」 
※何度も言わせて頂きます!

更に、もう一つ、DX戦略を進める上で、継続的に検証と改善を繰り返すプロセスは必須です、一度始めたら経営判断して中止すると決めるまで止めることが出来ないのです。

そして、DX戦略を進めるためには「経営者」も含めた組織のソフトウェアを更新する必要があります。パソコンやスマホは「OS=オペレーティングシステム」という稼働させるためのソフトウェアで動いています。このOSは絶えず定期的に更新されています。企業においても(個人においても)組織のOSのアップデートが定期的に必要です。これは経営者の課題です。技術の話ではありません。※DX経営に取り組むにあたっての組織OSについては、別の回で書いてみようと思います。

だからこそ「経営者」はDX戦略推進を主導するか、積極的に関与する必要があります。少なくても、私はそのように考えています。

デジタル・トランスフォーメーションと冠に「デジタル」という言葉が付いているから技術系部門が担当するべきではなく、

「誰の、どんな課題・ニーズに応え、どんな価値を創造し、どの様に提供し、どの様に価値を感じてもらい、対価を支払ってもらうのか」という経営テーマを是非主導して頂きたいのです!

デジタル技術の検討は、経営テーマをある程度設定してからでも遅くはありません。

今回も、ここまでお付き合い頂きまして有難うございます!

次回は、

■DXに取り組むにあたり、最初に徹底的に考えるべきテーマは何か?

について、感じていることを書いていきたいと思います!

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DX=Digital Transformation

■デジタル・トランスフォーメーション(DX)は言葉であり実態が無いから、有形なモノから入る方が分かりやすい?

さて、前回のブログでは「デジタル・トランスフォーメーション(DX)をなぜ技術視点から始めてしまうのだろう?」というテーマで綴ってみました。

今回のテーマは、

■デジタル・トランスフォーメーション(DX)は言葉であり実態が無いので、有形なモノから入るの方が分かりやすい?

となります。 では、はじめましょう!

ところで、“DIGITAL TRANSFORMATION”という言葉は、2004年にEric Stoltermanが発表した論文「INFORMATION TECHNOLOGY AND GOOD LIFE」 の中で使われて初めて世に現れたと言われています。(是非、読んでみてください。)

2004年ですよ! iPhoneが日本で発売される4年も前ですね

さて、この「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」という言葉って実態が無いのですよね? 
単なる言葉でしかないですよね?

私はよく、経営層の方とお話させて頂く時に、以下の質問を投げかける様に心がけています。

「御社はDXに積極的に取り組むと仰っていますが、御社の経営にDXが与える影響って何ですか?」
「なぜ、DXに取り組む必要があるのですか?」


この様に問いかけるとしばらく沈黙して考えらえるか、IoTやAIなどデジタル技術の活用についてお話をされる方も多いです。

あ、別に不快にしたくて聞いているんじゃありませんよ!
DXって経営戦略なのでお聞きしているのです!

DXについて技術先行で議論を始めやすいのは、有形なものを
テーマに議論した方が分かりやすいから当然でしょう。

一方、無形なものをゼロから考えて徐々にカタチあるDXにするためには、まずは小さく市場(社内)に展開して検証と改善を繰り返していくやり方になります(アジャイルと言われていますね)。

でも、無形なものに投資して得られる効果が未知数であるために、DX企画担当者が投資予算申請を上申するかどうかについてなかなか方向性が決められず、一方、決裁する側もイメージが持てないから投資決裁の覚悟が出来ず、双方で行ったり来たりして時間が過ぎるという悩みも理解できます。

(ちなみに、地方銀行と都市銀行では、DXに取り組みたい企業に対する積極的な融資姿勢に、まだまだ理解の差があると感じています。)

よって、社内業務系DXを対象テーマにした取り組みが多いのは、有形なモノとして業務課題(多くは現象で原因ではないです)が「(一見課題の様に)見えている」からテーマにし易く、ゴールも設定し易いからです。

ただ、基本的にDXの取り組みを業務課題から手を付けるのは正しいと私も考えます。それは社内DXと私は考えます。
よって、社外DXにも取り組む必要があります。(それは、別回で綴ります!)

また、「失敗はNG」という文化が強い企業では、基本的に検証と改善を繰り返しながらDX効果を継続的に高めて行く方法をなかなか受け入れにくいので、社内DXから手を付けるというのもあります。

よって、安全に進めるために、有形な「モノ」をDXの中心に据え、そこから期待される効果を示した方が経営層にも社員にも分かりやすいので、社内業務系DXはとっかかりやすいのです。
(うーん、まぁ、そうなんですが。。。)

例えば、「営業業務をDXで改革し、売上増加を目指す!」と
経営層が声を上げたとしましょう。

「営業プロセス分析で課題を発見し、プロセスを再設計後、どのプロセスをシステム化(営業系クラウドサービス導入など含む)することで営業効率が上がるのかを検討する。

更に、まったく有効に活用出来ていない自社のWebサイトを「24時間365日 寝ずに働けるデジタル営業担当者」に仕立て上げ、パーソナライズ機能を用いて顧客ニーズの醸成を自動的に行い、ある基準値に達したニーズが高まった顧客だけを、人的営業部員にアサインし営業フォローさせる。。。※ありがちなストーリーですが。。。」

上記は、既に有形である営業業務プロセスをどの様にDXさせるかという例ですが、多くの場合、検討を任された担当チームメンバー達は、以下の初動になるでしょう。

「とにかくさぁ、ちょっとSalesforceとか、マイクロソフトとか、そうだ予算あればSAPとかに声かけて、話を投げてみようかぁ」

「BIとかも導入して、いつでも、どこでも確認できる営業ダッシュボードなんて便利だよね!」など、これまた有形な「モノ」から議論が始まることが多いと思います。

でも。。

モノ(技術など)を起点にDX戦略の検討を始めると、狭い視野での議論になり「本質的な課題に気づかない」リスクが高まります。

もちろん、そんなことは分かっているし、ウチは出来ているという企業様はいらっしゃいます。 でも、もし「あ、なんか技術(モノ)視点の議論になりかけているなぁ」と感じたら、以下の問いを心の中で、度胸ある方は会議の中で、更に度胸ある方は経営層に投げかけてみてください!

自問1:「あれ? そもそも本質的な課題ってなんだっけ?」
自問2:「その課題は誰の課題を解決するんだっけ?」
自問3:「それを解決すると、どんな良いことが得られるんだっけ?」
自問4:「解決策は、検討中のデジタル手段だけで解決できるんだっけ?」
自問5:「そもそも、何か社内文化とか、業務に対する社員の意識とかも影響してないか?」

実は、上記の自問4から始めて他の自問に行くことも当然出来るのですが、多くは自問4でデジタル系の手段が示されると他の自問をしなくなり、その示された解決策に引っ張られ視野狭窄な検討に突っ走り始めます! 走り出したら止まらないぜ!という感じです。

「解決手段に拘るのではなく、課題に拘る」ようにしてください!

それから!!!この質問を上司や経営層に投げかける時は、自己責任でお願いしますね!!! ※一切の責任は負いかねます。

ちなみに、私のコーチ型コンサルティングでは、(言いにくい)ご担当者様の代わりに会議の中などで、経営層や企画メンバーの方々に、上記以外にもどんどん問いを投げかけさせて頂いております。もちろん、一切忖度せずに!すみません!

さて次回は、

■デジタル・トランスフォーメーション(DX)って誰が主導するべきなの?

について書いてみたいと思います!

今回もここまでお読みくださり有難うございました!