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DX=Digital Transformation

DXに取り組むにあたり、最初に徹底的に考えるべきテーマは何がよい?

さて、前回は、

「デジタル・トランスフォーメーション(DX)って誰が主導するべきなの?

でした。

今回は、

「DXに取り組むにあたり、最初に徹底的に考えるべきテーマは何がよい?」

について、書いてみたいと思います。

先日、某企業経営者様から「塩谷さん、DXに取り組むには何か検討を進めればいいのでしょう?」と質問を受けました。

私は迷わずに、「それは顧客」ですと申し上げました。

何をおいても「先に顧客について考える」ことをお薦めしています! そうお答え致しました。

なんか、当たり前に聞こえますか?
他のご意見もあるでしょうけれど。私はそう考えます。

釈迦に説法ですが「企業は、顧客課題を解決するための価値を提供して、対価を頂いている」のですから、どの様な価値を提供するかを考えるために顧客について先に考えますよね?

デジタル・トランスフォーメーション(DX)だから、先に技術やデータを中心に考えて、「顧客」について考えるのは後回しで考えてよいとはならないと私は考えます。

皆さんはどうでしょうか?

先日、東北地方の経営者の方々とお話をする機会がありました。その際に「貴社にとって顧客とはどなたですか?」と質問してみました。もちろん、返答は「自社製品・サービスを買ってくれる方ですよ」と回答されました。翌日にも、他の経営幹部層に同じ問いをしてみると「〇〇系業界の法人企業ですね」とか、「青森県の高齢者の方々で富裕層ですね」と返答されていました。多くの返答が「社外に顧客の対象がいるという視点」で考えられていいるのだなと感じました。うーん、違和感あるなぁ。。。

これは地方企業だからとか関係なく、都市圏の経営幹部の方からも同様の回答をよく耳にします。

しかし、ある日本企業の人事部と情報システム部の執行役員の方々は「私たちの部門の場合、顧客は自社と関連会社を含む社員になりますね」と返答されました。

僭越ながら、私はこの視点を持たれていることにホッとしました! 「当たり前だのクラッカーだ!」と仰る方もいるとは思いますが、いえいえ、「社員を顧客と捉える」というのは、なかなか難しいんですよ!

よって、「社外向けのDX」から取り組むのか、「社内向けのDX」から取り組むのか、「社内、社外DX相互連携」で取り組むのか、それは「どの顧客の課題に応えるのか」を先に決めてから考える必要があります。

顧客課題から考えることは当たり前のことではあるのですが、なぜか、デジタルという言葉に引っ張られて技術先行型でDXに取り組まれている企業が多く見受けられます

例えば、有名な「Airbnb(エアービーアンドビー)」の創業者は、自分達の住む地域で行われる大きなイベントがあることを知り、自分達の空いている部屋のベッドとちょっとした朝食(ブレックファースト)を提供したら、ホテルを取れなかった人たちがお金を払って宿泊してくれた経験から「なるほど、とにかく宿を確保したいという人達の課題に、自分の空いている部屋を貸すことで解決してあげることが喜ばれるのか!」とビジネスを立ち上げました。結果としてデジタル技術を活用し、自然に蓄積されるデータ資産を活用して、今では一部地域を除いて世界中でAirbnbは利用されています。でも、最初に「顧客課題」から始まっていますよね。

この「社内DXの取り組み」「社外DXの取り組み」ですが、一見すると別個の取り組みに見えますが、企業活動の全ては収益を生み出すために行われるので、最終的に「社内DX」と「社外DX」は互いに直接的に、または間接的に連携することになります。

ちなみに、「社内DX系」は業務プロセスの改革がテーマとなることが多いので、最初のDXとしては取り組みやすいですよね。

「社員(=顧客)の課題をDXで解決する(システム化)」ということです。

DXへの取り組みを検討するにあたっては、まずは「顧客」について考えることは最優先ですが、どんなことから考えたらよいのかとも聞かれます。

私がコーチ型コンサルティングでご支援する場合には、ワイワイガヤガヤと皆さんで、以下のような内容を時間をかけて深堀していきます。

  • 「顧客課題」として挙がった課題の中からどの課題に優先的に応えるのか検討する。
  • その課題解決に向けたDXの議論が、社内DXなのか、社外DXなのか、または相互連携する話しなのかを検討する。
  • その顧客課題に応えるにはどんな価値提供のシナリオで応えるのかを検討する。
  • その顧客課題に応えるために必要な競争戦略、モノ、人財(組織体制)、カネ、情報、変えるべき社内文化や意識は何か検討する。
  • その顧客課題に応えるために提供する価値には、強み・差別化はあるのか、自分達だから出来る“らしさ”があるのかを検討する。

    上記は特段に難しい内容ではありませんが、検討の深さが浅いと結果にも影響するので、一つ一つを深く議論する(最初は発散しても良いです!)様にしてみてください!

    さて、次回は、

 「DX経営戦略を自社だけの取り組みで完結すると競争に負けるかも?」

について、お客様とのお話しから感じたことを書いてみたいと思います!

本日も、ここまでお読みくださり有難うございました!

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